沖縄、宜野湾市・沖縄コンベンションセンターで開催された「第4回沖縄国際映画祭」最終日の3月31日、長編プログラムPeace部門正式出品作品『飲食男女-好遠又好近』が上映され、舞台あいさつに、ツァオ・ルイユァン監督、スペシャルサポーターのはんにゃが登壇した。
この映画は、主人公となる女性とその親世代の、二世代の恋模様を描く中国・台湾の作品。
まずは、MCから「この作品を愛してやまない」と紹介されたスペシャルサポーターのはんにゃ・川島章良と金田哲が登場。早速、川島から「今日の予報は雨で、朝方にはスコールもあったんですが、今、晴れているんです。“持って”ますね、吉本興業!」と、自分ではなく会社を持ち上げてニッコリ。しかし、「(別の)記者会見へ向かう時、無意識に食べ物を手に持ったまま会見場へ行ったら『おまえ、やる気ないだろ!』と怒られてしまいました…」と、ちょっと残念なエピソードを披露した。
一方、金田は、自分の赤いアロハ柄のシャツを指差しながら「ホテルにこのシャツでいたら、従業員と間違われて(宿泊客に)荷物を持たされそうになりました」と、すっかり沖縄に馴染んでいる様子。また、滞在中のロケでは、“山羊の睾丸”や“やぎ汁”、さらにウミヘビや虫など沖縄独特の料理を食べ、「沖縄の人でもなかなか食べないそうですね。(体の)中身もだいぶ沖縄になりました」と話し、笑いを誘った。
この作品の魅力について金田は、「ラブストーリーではあるんですが…ひと言でいうと“食と愛”という感じです。食べ物や野菜の素晴らしさも感じてほしいですね」とコメント。続いて、川島が得意げに「“食べたあと”にお腹が空くかもしれません」と話すと、すかさず金田に「“観終わったあと”ですよね? おそらく」と、残念な言い間違いにダメ出しを受けるハメに。
2人のトークが盛り上がる中、監督のツァオ・ルイユァンさんが登場。映画祭に参加した感想を聞かれ、ポケットに両手を入れながら思案する監督の立ち姿を見て金田は「なんか、格好いいですね」とポツリ。それを気にすることなく、監督は「沖縄は台湾によく似ているので、海辺を散歩したり、非常にリラックスして過ごしました」と、落ち着いた様子で貫録たっぷりに答えた。
本作は、16年前のアン・リー監督作品『恋人たちの食卓』の“パート2”という位置づけで製作された作品。それについて、監督は「『恋人たちの食卓』は食欲、情欲、性欲の3つの欲を主体として作られています。ですが、今回は“ベジタリアン”という精進料理をテーマに描いた、シンプルで自然なものになっています」と作品を説明。また、「(登場人物の)料理長が50年もの間思い続けてきた愛が、食べ物を通じて作品に反映されています。その愛情は、その娘にも受け継がれています」と語った。
監督のコメントに「なるほど!」と強く納得した様子の金田は、「僕思うんですが、監督はベジタリアンですよね?」と質問。しかし、監督から返ってきた「ノー」という返答に、「ですよね! 失礼ぶっこきました!」と、前言を即撤回。また、「監督がおっしゃった“シンプル”の意味がよく分かりました。“食べること=コミュニケーション”。最終的には、“食べること=生きること”なんだと。映画を観終わったあとに“愛”を持って感じられると思います」と、MCがビシッとコメント。その、的を射たコメントを聞き、「素晴らしいコメントですね。もう何も言うことないですよ」と、二の句が継げない様子のはんにゃに、観客たちの笑いを誘った。
さらに監督は、「“食”だけではなく、過去と現在、二世代の恋愛を描いた作品でもあります。たぶん、(はんにゃの)お2人は違う感じで作品を受け取られると思いますが、本当に純粋な愛情を感じられる作品です」と、はんにゃに対する皮肉(?)を交えながら見どころを解説。コメントを真剣に聞いていた2人は、「…ん? 我々には分からないだろう…と?」と、怪訝な反応。さらに追い打ちをかけるように監督から「ここまでの2人の印象からは、普段そういう(映画のような)恋愛はしていないんじゃないかと思っている」と言われると、川島が「こいつ、純粋ですよ!」と金田の純粋さをアピール。金田も「純粋! 純粋!」と、間違ったイメージであることを必死に訴えるも、監督の疑惑が晴れることはなかった。
舞台あいさつの締めくくりとして、監督が「ひと言でいえば、純粋の“純”と、まことの“真”という字で表せると思います」と作品に込めたメッセージを伝え、最後は「沖縄が好きなので、この作品を沖縄に捧げます」と力強い言葉を残して舞台あいさつを終えた。【東京ウォーカー】