「第4回沖縄国際映画祭」4日目となる3月27日、沖縄コンベンションセンター・シアター2で映画『ヒノマル♪ドリーム』の舞台あいさつが行われ、五歩一勇治監督、主演のニコラス・エドワーズ、カラテカ・矢部太郎が登壇した。
この作品は日本で歌手になる夢を持つアメリカの青年・ニコラスの物語。歌手デビューを目指して来日したニコラスだが、事務所の社長が出したデビューの条件はなんと「女になること」。夢のため、しぶしぶ「ニコール」として活動を始める彼が理想と現実のギャップに葛藤しながらも、一歩ずつ夢に近づいていくストーリーだ。
まず、ニコラスは、この沖縄国際映画祭について「沖縄に来るのは初めてです。ましてや『ヒノマル♪ドリーム』の仕事で来ているので、なおさら毎日が楽しいです!」と、流ちょうな日本語であいさつ。ニコラス自身も役と同様に、実際に日本の歌に感銘を受けて日本での歌手デビューを目指しているとのことで、日本の歌の好きなところは「日本の歌にしかない『素直な部分』」だそう。日本の歌に出会ったときの印象を「最初は全然日本語の意味は分からなかったのですが、(日本語には)意味が分からなくてもすごく心に響くものがありました」と話した。
そんなニコラスと五歩一監督の出会いは、あるテレビ番組。その番組は「外国人が日本の歌を歌う」という企画で、監督がニコラスの歌う動画を目にしたのが今作の製作につながったそう。五歩一監督は「(ニコラスの日本と日本の歌への思いに触れて)あらためて日本や日本の歌の素晴らしさと、外国の方がそれをカッコイイと言ってくれることへのうれしさを感じました」と、当時を振り返った。また、劇中にはニコラスの家族も出演してことを明かし、「(ニコラスは)家族も大切に思える人です。家族や『家族に支えられている』と考えながら観てもらえると、よりニコラスの魅力が分かってもらえると思います」と、見どころを語った。
主演のニコラスは、演技をする仕事はこの作品が初めて。役を演じることについて「今回は“自分”という役だったので楽な面もありました。でも自分を演じていても、形は“物語”という設定なので、そこのバランスが難しかったです」と語るも、その堂々とした様子からは俳優としての頼もしさが感じられた。
一方、ニコラスの歌声について聞かれた矢部は、「ニコラスさんと一緒にカラオケに行ったら、いい匂いがしました」と珍回答。さらに、撮影で大変だったことを聞かれて「外での撮影が寒かったです」と話すも、五歩一監督から「(矢部さんは)そんなに(外の撮影)なかったでしょ!」とツッコミが。矢部が慌てて「ニコラスさんが寒かったそうです!」と代弁だったことを明かすと、ニコラスが「撮影中は気温が2℃の時もあり、(真冬の設定ではないため)衣装は気温の割に薄着が多く、寒かったです。でも、寒さを乗り越えて挑む撮影もまた楽しかったです」とフォロー。仲の良い共演者たちのやり取りに会場からも笑顔がこぼれた。
舞台あいさつ中盤には、なぜか矢部がニコラスにインタビューする一幕も。「好きなアーティストは?」と聞かれたニコラスは、「アーティストというよりも作る歌が好き。素敵な歌だと思うのは『ゆず』。本当に心に響く歌詞やメロディーを作ります」と熱弁すると、日本語が好きなので、洋楽よりは日本の歌を聴く機会が多いことも明かした。
最後に、ニコラスは「本当に楽しく出演させていただいた映画です。“五歩一さんワールド”になっていて、楽しくご覧いただける映画になっていると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします!」と、再び丁寧な日本語でメッセージを送った。【東京ウォーカー】