第21回日プロ大賞、『CUT』で主演男優賞を受賞した西島秀俊が喜びのコメント

東京ウォーカー(全国版)

「第21回日本映画プロフェッショナル大賞」(通称・日プロ大賞)の授賞式が、5月26日、東京・新宿の映画館・テアトル新宿で行われ、主演男優賞を受賞した西島秀俊、主演女優賞を受賞した榮倉奈々、作品賞に輝いた「監督失格」の平野勝之監督とプロデューサーの庵野秀明らが出席。イラン出身の鬼才アミール・ナデリ監督の衝撃作『CUT』で、自身3度目となる主演男優賞を受賞した西島秀俊が喜びのコメントを寄せた。

以下、西島秀俊のコメント。

「今回の『CUT』と言う映画で、自分でも全く新しい、今までと違った自分を演じることができたんじゃないかなと。自分でよくやったなと、今回頑張ったんじゃないかなと思っています。監督はもちろんですけど、共演者の皆さん、現場にいた全スタッフの皆さんの現場での異様な熱気、それから熱意、映画に対する愛情、そういうもので自分も何とか、今までの限界を超えることが出来たんじゃないかと思っています。本当にこの作品で賞をいただいて嬉しいです。ありがとうございます」

―――西島さんはどんな映画が好きでごらんになりますか?

「いろんな映画が好きですけど、1時間半か2時間、自分の人生を忘れる映画よりは、今までの人生が変わるような、そのくらいインパクトのある映画が、どちらかというと不快なくらい、自分の価値観とぶつかるような映画が好きです」

―――海外の監督とご一緒する時、感じることはありますか?

「日本の監督とお仕事する時とプロセスは変わらないんです。直接お会いして、話していく中で決めていく。海外の監督には肉体的な、アクションとかそういうものを求められる。日本の監督の方がもう少し静かな、精神的なものが多いので、そういう意味では海外の監督は刺激的ではあります」

―――西島さんは、すごくストイックな役者さんという印象がありますが。

「ここ数年は、あらためて役作りにとことん真剣に向き合おうという思いがあるので。今は、『世界一狂っている俳優は俺だ』という思いで作品に向かっています」

―――本日は『ニンゲン合格』と『さよならみどりちゃん』が上映されますが、どんな思い出がありますか?

「『ニンゲン合格』は初めて主演した映画で、黒沢清監督と出会って、『CUT』の菅田俊さんがお父さん役で、そうそうたる役者さんとご一緒して、夢のような現場でした。『さよならみどりちゃん』は、ナント(3大陸映画祭)で監督賞と主演女優賞をいただいて、僕は何ももらってないのに会見に出された(笑)。今日は平野勝之監督もいらっしゃってるので、『いたいふたり』を上映してくれたらよかったですね(笑)」

「日本映画プロフェッショナル大賞」は、健闘しながらも諸々の理由から過小評価された作品・スタッフ・出演者にスポットを当てようと意図された、映画ファンのための特別イベント。現役プロデューサー、脚本家、評論家、配給・宣伝・興行関係者たちがベスト10を選出する。第21回は、国内主要映画賞で既に受賞している作品以外の全作品が対象だった。【東京ウォーカー】

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