ショッピング施設やアミューズメント施設が続々誕生しているなか、20代や30代のカップルの多くは街中デートに対して、新鮮味や感動が薄れがちな傾向にあるという。その一方で、都会と離れた場所にある自然や文化に触れる“趣デート”が、同世代の間でブームになっていることがトレンド総研の調査によって判明した。
そもそも、趣デートが注目されるようになった背景には、2011年3月に起こった東日本大震災が大きく影響しているという。震災以降、恋人たちの間では“思い出”や“絆”を重視する意識が強くなり、そのためデートにおいても趣のある場所や風景のなかで、お互いの思いや感動、幸福感を共有し、絆を深めたいと考えるカップルが急増しているのだそうだ。
そんななか、趣デートが楽しめるスポット&イベントとして注目なのが、軽井沢高原教会で7月27日(金)から8月31日(金)まで開催される「サマーキャンドルナイト」だ。このイベントは、チャーチとしてこれまでにも多くの人々の絆を育んできた同教会が、毎年夏に実施している歴史と伝統のあるイベント。教会の中庭には、一つ、一つ、思いを込めて作られた2000個のランタンが散りばめられ、温かな光により神秘的な空間が生み出されている。
期間中には、他にも様々な企画が実施される予定で、特にカップルにお勧めなのが「結び灯」というキャンドルセレモニー。教会から聖なる火を受け取り、願いを込めて2人一緒にキャンドルに灯す、といった内容で、体験したカップルには大切な人との絆が紡がれることを願う「三つ撚りの糸」がプレゼントされる。さらに週末やお盆の時期には、星空の下で素敵な音楽を楽しむことができる「ハンドベルコンサート」も実施されるので、こちらも合わせて楽しみたいところだ。
また、京都府の貴船神社では、表参道に立ち並ぶ春日灯篭のほのかな灯りが笹飾りを幻想的に照らし出す「七夕笹飾りライトアップ」(7月1日から8月15日まで開催)が、神奈川県の箱根ホテル小涌園では、美しい自然のなかでホタルの光を楽しむことができる「箱根ほたるの里」が現在実施中だ。いずれのスポットも独特の趣があるので、この夏に色々な施設を巡ってみるのも良いだろう。
そんな趣デートのブームについて、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんに聞いてみたところ、「現代のカップル、特に20代や30代の男女は、きらびやかなバブル時代に青春を過ごした40代とは異なる趣向を持っていて、反バブルの意識が強くあります。なので、食も車もデートスポットも、見栄で消費することはせず、自分たちにとっての快適性や居心地の良さを重視する傾向にあるんです」と教えてくれた。
さらに最近のデートスポット選びには、SNSの流行も影響しているそうで、「最近ではツイッターやフェイスブックで『○○なう』などのつぶやきと共に、訪れた場所の写真を投稿する人が増えました。特に若い世代には、自然、夜景などの写真映えがする場所や、季節感、文化が感じられる風景をスマートフォンなどで写真に撮り、友人に知らせたいと考える人が多いようです。現在ではデートスポット選びにおいても“ネタになるかどうか”という点が、1つの選択基準になりつつあるようです」という意見も聞かせてもらえた。
都会でのデートにマンネリ感を感じていたカップルは、これらの意見を参考にしながら、今年の夏は趣デートに挑戦してみてはいかがだろうか。“古き良きもの”や“趣のあるもの”を前にすれば、きっと感動や幸福感を共有したいと願う“ハッピーシェア”欲求も満たされ、2人の関係もより良いものになること間違いなし!【東京ウォーカー】