ザ・ブルーハーツの楽曲で構成される舞台「リンダ リンダ」が8年ぶりに再演! 鴻上尚史×松岡充に直撃!

関西ウォーカー

04年、鴻上尚史の作・演出で初演した音楽劇「リンダ リンダ」。伝説のロックバンド、ザ・ブルーハーツの楽曲で構成し、話題を呼んだ舞台を8年ぶりに再演する。新キャストとなるが、初演で初舞台を踏んだ松岡充は同じマサオ役で再登場。再演を長く待ち望んでいた2人が来阪、その熱い思いを語った。

Q:今、なぜ再演? 

鴻上/好きだから、この作品が(笑)。初演がすごく楽しかった。だからもう一回やりたい。動機はそこ(笑)。ブルーハーツが大好きだしね。歌詞を変えずに18曲ぐらい使うんだけど、選んでる時間は至福の時間でした。今でもブルハが聞こえて来ると身体が動きますよ(笑)。

Q:内容は変わりますか?

鴻上/物語の基本路線は変わりません。売れないバンドのリードヴォーカルが引き抜かれて、残された人たちが本当のロックバンドになるために、ロックなことをするゾ! と決意する。ここまでは一緒。初演は、堤防を爆破してムツゴロウを救う話だったけど、今回は北の立ち入り禁止区域に残された牛さんたちを助けようとする話です。本当の意味での反抗とかロックとは何かを、今の時代に考えたくなったんです。

松岡/内容の裏に、隠されたメッセージもあるんですよ。

Q:松岡さん、初演は初舞台でしたよね。

松岡/「リンダ リンダ」に出て、こんな素晴らしい世界があるんだと思いましたね。演劇をもっと早く知っておくべきだった。で、やれることがいっぱいある、と。松岡充という自分の人生以外に、もうひとつの人生を与えられる瞬間。違う人生を生きられるって、なんて素敵なんだろう、こんな機会はほかにないですよ。だから、初演は終わることが悲しかった。この8年間、毎年やっていたかったぐらいです(笑)。

鴻上/毎年!(笑)。ボクは、再演したい作品は願掛けして携帯に付けてるんです。ほら、ストラップの先に小さな「ムツゴロウ」が付いてるでしょ。こっちの「ドラえもん」は、再演したい作品2位(笑)。

松岡/ボク、スネ夫どうですか? 髪型近いでしょ。

鴻上/(ちょっと考えて)ない!

松岡/ないか~、残念!

Q:8年を経ていかがですか?

鴻上/作品として今回は、青春が終わったのに夢を見て生きようとするヤツらっていうところに、はっきりシフトしようと思っています。また松岡くんは、この8年の間に場数を踏んで、ストレートプレイまで経験した。歌を歌えばお客さんは納得するのに、それを封印したチャレンジはえらかった、すごいと思った。こんな腹の括り方をする人なんだと見方が変わった。だから今回演じるマサオも、初演よりもっと弱くてずるくて、でも変わろうとするのが見えてくれば再演する意味は大きいと思う。

松岡/やっぱり鴻上さん、さすがです。ボクはやっぱりマサオ。同じような心の壁を持っていると思う。でも、今回の再演までに8年かかったから、次は設定的に厳しい。ボクのやるマサオはこれで最後かもしれない。だから、マサオの稽古はもう二度とない、と思いながらやってます。少しの時間ももったいない!

Q:お客さんに伝えたいことは?

松岡/初演の時、音楽と比べて、一回に見ていただく観客数がすごく少ないと思いました。だから、一人でも多くの人に観てもらいたい。ソフィアのファンの人たちにも、ライブもあるけど「これ、観とかなかったら損するゾ!」と言いたいです。ファンの人たち、それから演劇好きの人たちにも。ボクが出るのは最後だと思うから、初演を気になりつつ観れなかった人は全員、来てほしい!

Q:関西に来た時、いつもすることは?

松岡/24時間営業の打ちっぱなしに行きます。いつも行くところは、なんか大阪な感じでいいんですよ。ブルースな感じで楽しい。夜中でも行きますよ。あと、お寿司を食べに行きます。いつも行く店で、味はかなりうまい。で、店の大将が日本一!

鴻上/ボクは、お好み焼き。いつも行くので、ボクが大阪に来ている時は待っていてくれるみたい。あとは鶴橋の焼肉。王道ですね(笑)。

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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