今年も花火の本格シーズンが到来! これからは夏祭りなどで浴衣姿の女性を見かけるようになるが、2012年の売れ筋はどんな浴衣なのだろうか? 5月上旬頃から浴衣売場を立ち上げ、多くのブランド浴衣を取り扱うマルイのバイヤーに尋ねてみたところ、トレンドの3大キーワードが判明した!
■トレンドその1「古典柄」
今シーズン、売れ行きが好調なのは“古典柄”を用いた浴衣だという。例えば朝顔などの花や、蝶や金魚など、昔から受け継がれてきた柄が描かれたものだ。同社の浴衣バイヤー・榊原一美さんは「昨年、古典柄が流行した流れで、今年も人気です。伝統的な柄はもちろん、涼しげに見える白地や、浴衣らしい紺地も人気が高まっていますね」と言う。「さらに今年は、華やかな色合いなど、モダンな要素を取り入れた“クラシカルモダン”というテイストに発展したものも売れています」と、解説してくれた。
■トレンドその2「着物風アレンジ」
また、今年はそうした流れに連動して、着こなしにも変化が。一時は、レースを帯にプラスしたり、シフォン生地のようにフワフワした素材のものを兵児帯として使ったり、といったラブリー系なアレンジが流行していたが、「今は、帯締めをするなどの“お着物風アレンジ”が人気を集めているんですよ」と榊原さん。周辺小物としても、渋めの大人っぽいかごバッグなどをコーディネートする人が多いという。
■トレンドその3「楽チン」
一方で、注目株となっているのが“ラクに着られる浴衣”や、ワンピース型で着やすさを打ち出したインナー、クッションの効いた履き心地の良い下駄など、“楽チン”を売りにした新アイテム。消費者は、古典柄や着物風など、“古き良きものを大切に”という心から、伝統的な要素を取り入れたものや本格的なものを好む傍ら、新しさ・快適性も賢く取り入れようとしているのだ。
ちなみに、同社の「ラクチン綺麗ゆかた」は、一人で簡単に着られるのが特徴で、人気のある商品。これは、浴衣を着る際、難関となっている“おはしょり”が、あらかじめ縫われて出来上がっているのだ。さらに、従来の量販されている浴衣は染める時に使用する色の数が4~5色と言われているのに対し、同商品ではその3倍近い色数の12~13色を使用。そうすることで、柄の濃淡を豊かに表現しているという。そして、作り帯も一点一点、職人の手で結んでリアルなふっくら感を演出。随所を工夫し、“楽チン”ではあるものの、見た目はあくまで“本格的”であることで、消費者のニーズに応えているのだ。
古典柄浴衣を着物風に着こなしつつ、無理はしない、というのが今年らしいスタイル!トレンド感をちょっぴり意識して、花火大会や夏祭りに出かけてみてはいかが?【東京ウォーカー】