【WEB連載】酒女倶楽部の日本酒レポート        4本目「すず音」(宮城県・一ノ蔵)

関西ウォーカー

暑いですね~。わたしの住む大阪も「ここは沖縄?」というくらいの暑さ、そして青い空! 夏がやってまいりました。日本酒ラブのわたしですら、さすがにビールが恋しい…。白いアワアワに口をつけ、琥珀色の冷え冷えを流し込むのどごし…。ああ、たまりません。「酒女がビールに魂を売ってどうする!」(日本酒の神様) はいっ! すみません。ビールを一杯やったあとは、必ず日本酒飲んでますから~。(>_<)

…でもやっぱり、一杯目から日本酒を、という場合は、こちら。

一ノ蔵 http://www.ichinokura.co.jp (宮城県大崎市)「すず音」

たぶん、なにも言わなければ、日本酒だとわかりません。透き通ったシャンパングラスに入れて出せば、日本酒はぜんぜんダメ、という人でも「おいしいお酒だね。なんていうカクテル?」と言うと思います。なにしろ、アルコール度数5%というライトさ。味は、乳酸系のシャンパンドリンク、というところでしょうか。しゅわしゅわ〜っとしているので、飲み口がすっきりしていて、ビールと同じような感覚でごくごくいけるところが、夏にはうれしいです。

ところで、こういうしゅわしゅわ日本酒を、日本酒ビギナーの方に飲んでもらうと、必ずといっていいほど「炭酸が入っているんですか?」と聞かれます。いやいや、違うんですよ。日本酒って、そもそも「発泡」するものなんです。

日本酒は、醸している最中、酵母の働きによって発酵が進みます。その過程で、まさにビールのようにしゅわしゅわとした炭酸が出るんです。それをそのまま閉じ込めたのが、すず音のような日本酒なのです。

とっても飲みやすくて、酵母の栄養たっぷりなしゅわしゅわ日本酒。まだまだたくさんあるので、この夏の間に、あと1〜2本は紹介したいです!

さて、このお酒を醸している一ノ蔵さんは、宮城の酒蔵です。宮城といえば、そう、昨年、震災で大きな打撃を受けたところです。この蔵もまた、被害に遭いました。でも! 再び、力強く酒造りを再開していらっしゃいます。しっかりしたお酒を造る蔵が、もう一度元気をとりもどし、がんばってらっしゃる姿を見るのは、酒女としてはとっても幸せ。「わたしもがんばらなきゃ!」という気持ちにしてくれます。改めて、宮城応援! 一ノ蔵さん応援!です!!

甘さ度★★★☆☆ 辛さ度★★★☆☆ 女性度★★★★★ 男性度☆☆☆☆☆

合う料理:なんにでも合いますが、お料理はなくても、そのままぐびぐび〜っと。

このお酒を芸能人に例えると…クーラーのような涼しげな目元の「武井咲」さん!

※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。

【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】

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