ことし4月、NHK BSドラマ「生むと生まれるそれからのこと」で向田邦子賞、ヒューゴ・テレビ賞奨励賞を受賞した岩井秀人。作・演出・俳優と活躍する岩井の劇団ハイバイの人気作「ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだポンポン」が、東京・こまばアゴラ劇場にて上演中だ。「ポンポン~」は’05年、’07年に上演、3回目となる今回は大人計画の荒川良々、パフォーマンスユニット「おかぼれ」を立ち上げたばかりで、ますます舞台活動に期待大の安藤聖らを客演に迎え、東京ほか伊丹、北九州、長久手の4都市を回る。
コンピューターゲームを持つ、持たないという小学生間の生々しいヒエラルキーに加え、嫁ぎ先が裕福か否かで環境が分かれた元同級生の母親の繊細な機微も描かれている。キャラの濃い役者陣の見事な芝居、さらに個性が強すぎる劇団主宰者を岩井自身が5年ぶりに演じるのも見どころのひとつ。岩井自身も「自分の小学生時代を思い出す」というように時代を感じさせる舞台に、共感する観客も多いようだ。荒川のはまりすぎる小学生ぶりにも注目したい。