Tinaが待望のニューアルバムをリリースし、8/22(水)にビルボードライブ大阪に登場!

関西ウォーカー

90年代後半のR&Bやクラブミュージックのムーヴメントを代表する女性シンガーのTina。数年ぶりとなるアルバム「A Song for You」は、今まで歌い続けてきた自分自身を再度見つめなおし、“You”…すなわち、このレコードを聴く多くの人と繋がりたいという素直な想いが詰まった彼女の集大成とも言える作品となった。

―99年に1stシングルを出されて、12年の今こうやって新しいアルバムを出されてるのは素敵だと思います。

「デビュー当時から環境はその都度多少変わっても、ずっと歌を歌い続けてきてますので、デビューが昨日のようと言うと大袈裟ですけど(笑)、みなさんの支えがあってこその現在のTinaがあると思っています。アルバムにも収録されている『Starting Over』は今年5月にリリースされたシングルで私にとっては久々となるリリースだったんですが、“Tinaの音楽とは”というのを改めて考えるきっかけになりましたね。音楽に対してのこだわりは大切で、それと同時にそのこだわりによって音楽の可能性を狭めてしまっているような気もしたり。R&B、ソウルミュージックという音楽が自分のベーシックにはあるのですが、そういったカテゴライズを抜きにして、シンプルにダイレクトに届く音楽はどういう事だろうと…。そんな思いもあって出来たのが、いつでもここからが始まりというテーマの『Starting Over』という曲です。アルバム制作自体は結構前からやっていて、2年前に出来てる曲もあるし、今年に入ってからできた曲もありますね。その時々で観ているもの、感じるものが変化したりするもので、1枚のアルバムにするのに悩んだりもしましたが、その時々に込めた想いは色褪せないものという願いもあって完成することが出来ました。」

―そういう願いが込められた中で、特に「Sincerity feat.Anarchy」での京都のラッパーであるAnarchyさんとのコラボレーションは感じるものがありました。

「この曲はDJ WATARAI君に全てサウンドをやってもらっていて、アルバムで唯一の客演を招いての楽曲です。私の歌詞は心情的な表現で描いているので、Anarchy君のリリックは情景が思い浮かぶ感じで、より具体的で…、その『Sincerity』という言葉自体が真心込めてや誠実という意味なんですけど、彼のラップが入ることによって楽曲の世界観がより膨らみました。人間生きていればハッピーもしんどい時もあって、昔はもがいてる部分を見せるのはクールじゃないと思っていたけど、実はそういうところが一番自分らしいのかと最近は思えるようになって、そういった気持ちをストレートに歌詞にしたいと思っていますね。2年間という期間での色々な心模様がアルバムそれぞれ1曲1曲の中に現われていると思います」

―レオン・ラッセルのカバー「A Song for You」が収録されていて、アルバムタイトルにもなっていますよね。曲は聴くと誰もが知っている曲なんですけど、初めて訳詩を読んだんですが、凄く深みのある歌詞で驚きました。

「いろんなアーティストにカバーされてる理由がわかりますね、本当に良い曲です。私の今の心境というか…。いろんな人の前で歌ったし、拙い曲も書いたし…、でも今は君の前で歌っている…というこの曲の歌詞にとても共感して。是非この曲をやりたいと思いました」

―たくさんの現場を経験されてるからこそ、この歌が響くんだと思います。

「昔は、どこに行っても新人だったんですけど(笑)。今はインターネットもありますし、便利で良いんですが、現場に足を運ばないと入手できないものもたくさんあって、例えばクラブに行って、生まれる出逢いがあったり、そうそこで感じたり、経験したことが今の自分に繋がっていて。あそこ行きたいけど怖いなとかミステリアスだなとか、あの男の人の危険な雰囲気に何だか魅力感じるな〜とかね(笑)。いろんなことを幅広く知れる時代ですけど、現場に行って経験してみないとわからない楽しさもありますよね。」

―現場であるライブが、大阪でもありますね。

「レコーディングも好きなんですけど、何よりもダイレクトに反応が感じられるライブが好きですね。ライブのように歌えたら、レコーディングのテイクもいいのが録れるのにって思います(笑)。でも、本当にライブの自分がスペシャルな瞬間だと思うし、ライブでステージに立っている自分が一番好きです。それ以外の自分は...俗っぽくて...普通ですね(笑) 」

―(笑)。ライブを本当に楽しみにしています。ありがとうございました!

【取材・文=鈴木淳史】

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