沖縄の学生がビジネスアイデアプレゼン合戦!最優秀賞は堂々の2連覇

東京ウォーカー(全国版)

8月25日、沖縄県立博物館・美術館講堂で、「第5回沖縄学生ビジネスアイディアコンテスト最終発表会」が開催された。最優秀賞は、第4回でも最優秀賞を獲得した琉球大学の徳嶺あかりさんが受賞。自身のプレゼンでもそれをネタにするプレゼン力の高さで2連覇を果たした。

「沖縄学生ビジネスアイディアコンテスト」は、新規性があり成長が見込める、もしくは地域活性化につながる新製品・新サービスを踏まえたビジネス・アイディアを競うもので、応募資格は沖縄県内の大学院、大学、高専、短大、専門学校に通う学生の個人またはグループ。2012年の第5回は、43件のエントリーがあり8件が書類審査を通過、この日のプレゼンテーションとなった。

発表会に先立っては、Lean Startup Japan LLC代表の和波俊久氏が、「Lean Startupとは?」をテーマに基調講演を。シリコンバレーの最先端起業術として注目を浴びているリーンスタートアップを、その普及活動を進める和波氏が、「アイディアを事業に進化させる起業のサイエンス」として紹介した。

和波氏は「今、世界ではものすごい変化が起きている。マーク・アンドリーセンの言葉を借りれば、『ソフトウェアが世界を飲み込んでいる』」「スマートフォンが情報伝達を変え、個人が世界中のすべての人にサービスを届けることができるようになった」「変化に気付くことが重要。ソフトウェアの進化に合わせて発想を転換しないといけない」「決めた計画の実行力よりも想定外の変化への対応力を高めることが必要」「起業はアートではなくサイエンス、マネジメント」「常識を変える仮説から、小さく始めて、失敗をしては方向転換し、繰り返し、走りながら考えればいい」といった起業のヒントをちりばめた、学生たちに有益なスピーチを披露した。

続いて、8組の学生が続々と自分たちの事業アイディアをプレゼン。ひと組終わるごとに審査員から質問やアドバイスが投げかけられ、学生たちは自らの思いをぶつけ、審査員のコメントに事業案の改善を言いだすなど、有意義な時間が流れた。中には、「アイディアはよいがプレゼンの展開に難が」という言葉を指導教授から掛けられていた学生もいた。

最優秀賞は前回大会に続き、琉球大学の徳嶺あかりさんが受賞。賞状と副賞が贈られ、「大学院の学費に」と言葉をかけられると、「それよりも起業したいです」と力強く述べたのが印象に残った。優秀賞は琉球大学の屋比久由衣さんらのチーム、審査員特別賞を琉大大学院の與座明泰さんと、沖縄工業高等専門学校の兼城駿一郎さんらのチームが、また、この日博物館・美術館で展示されたパネル賞を沖縄国際大学の上里萌さんらのチーム、さらに奨励賞を沖縄県立美来工科高等高校の生徒たちが受賞した。

審査委員長を務めた大角玉樹琉球大学教授は、「沖縄における民間主導の自立経済実現には、起業家教育がどうしても必要。フィンランドではベンチャー育成のマインドセットが経済競争力につながった。なかなか実践を学ぶ場はないが、大学での学びがイノベーションにつながるといい。このところの沖縄にはシリコンバレー的考え方雰囲気が生まれている。沖縄がイノベーションアイランドと呼ばれる日が早く来てほしい」と期待を口にしながら、「学生のアイデアを形にして、沖縄から世界へ何かを発信していきたい。このコンテストが集まったエネルギーを外へ開放するイベントになれば意義がある」と締めくくった。

自分たちのアイデアの事業化を真剣に考え、県内企業との展開を望む学生や、アイデアを基に競合相手にいかに勝つかまでを検討している学生もいた。そんな熱意が実を結ぶ日が来るよう、頑張ってほしい。【東京ウォーカー】

「第5回沖縄学生ビジネスアイディアコンテスト最終発表会」ビジネスアイディア一覧

【プラン名】ウォーキング・ビューティー ※パネル賞

【発表者(代表者)】上里萌(沖縄国際大学)

【事業内容】歩数計アプリでポイントをためてもらう。歩数計アプリに企業広告を貼る。ポイントは企業の提供しているクーポンに変えられる。

【プラン名】学生ライフ・オールサポート・センター

【発表者(代表者)】金城英那(沖縄国際大学)

【事業内容】1.大学生対象のフリーマーケットの企画・運営 2.ルームメイト紹介サービス 3.一人暮らし向けの部屋紹介サービス 4.インターンシップ・ツアー企画・運営

【プラン名】Systematic Romantic  ※審査員特別賞

【発表者(代表者)】兼城駿一郎(沖縄工業高等専門学校)

【事業内容】クライアントはECサイトを構築している花屋。 花屋に対して新しい形の予約システムを提供し、利用料を頂くビジネス。

【プラン名】琉球かんざし専門店 ジーファー

【発表者(代表者)】知念豊弘(琉球大学)

【事業内容】ジーファー(琉球かんざし)の販売、無料で髪結いサービスの提供、広告活動を通じて沖縄にジーファーを広める。沖縄の伝統文化であるジーファーを復活させ、日常で使ってもらう。

【プラン名】Hello World! ―世界の学生とスキル交換できるSNS―  ※最優秀賞

【発表者(代表者)】徳嶺あかり(琉球大学)

【事業内容】世界各国の学生がGive&GiveできるSNSを運用する。言語はすべて英語。 ビジネス/IT/語学/音楽/ライフスタイルの5つのカテゴリーがある。

【プラン名】お手軽通訳

【発表者(代表者)】西倉ももこ(琉球大学)

【事業内容】中華圏外国人観光客と通訳の方を無料のテレビ電話アプリSkypeで繋ぎ、伝えたいことを代わりに伝えてもらうなど、旅行先で困ったときの手助けを行う。

【プラン名】うりかめ~くり読め~うちなーすとぅーでんとPROJECT  ※優秀賞

【発表者(代表者)】屋比久由衣(琉球大学)

【事業内容】COME-YUME(かめゆめ)プロジェクト。マーケティングなどの知識をもつ学生を飲食店へコンサルタントとして送る仲介の業務を行う。ビジネス専門冊子「来夢」を年4回発行。

【プラン名】需要家向けの太陽光発電およびマイクロ水力発電システム  ※審査員特別賞

【発表者(代表者)】與座明泰(琉球大学院)

【事業内容】太陽光発電システム。マイクロ水力発電システム。 システム導入のためのコンサルタント(シミュレーション)。

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