“乗り鉄”歴40年の鉄道乗車マニア・佐藤尚樹さん(大阪府在住)が、9月19日(水)、沖縄都市モノレール「ゆいレール」の那覇空港駅から首里駅までの全区間に乗車し、日本全国全路線を制覇した。この日は佐藤さんの48回目の誕生日。自身にとって最高のバースデープレゼントとなったようだ。
佐藤さんが“乗り鉄”になったのは、岡山の吉備線に友人3人と乗車したという小学校2年生の夏休み。まだ、初乗り運賃が10円だった時代だ。その後、国鉄全鉄道路線の完乗を目的とする「いい旅チャレンジ20000km」のキャンペーンが国鉄(現在のJR)で始まったのを機に、全線乗車を決意。時間の許す限り全国各所まで足を運び、日本の定期旅客輸送を行う鉄道会社の路線は全て乗車した。挑戦を始めて40年、鉄道のために使った金額は、ピンバッチや模型などのグッズ購入を合わせると400万円にもなるという。
国内線全線乗車の“終着”となる首里駅のホームでは、到着時刻の午前9時16分に合わせ、沖縄都市モノレールの関係者や報道陣らが佐藤さんを出迎えた。車両が到着すると「おめでとう」の歓声と共に大きな拍手が沸き起こり、ホームに降り立った佐藤さんは「ありがとうございます!」と、祝福に軽く会釈をしながら満足げな表情を見せた。
その後、小黒輝雄駅長から日本全国の全鉄道、全路線の完全乗車達成記念として「達成証明書」が手渡されると、満面の笑みを浮かべながら何度も眺めていた佐藤さん。なお、沖縄都市モノレールで達成証明書の授与が行われるのは、開業以来今回が初めてとなる。
「3年ほど前に、4度目の年男になる48歳の誕生日の記念として『ゆいレール』で全線乗車を達成させる事を決めました。計画達成のために逆算しながら本土の乗り残し鉄道をクリアして、新線開業などの落ち着いた今日、この瞬間を迎えることができました」と、達成の喜びを語った。
国内全線を制覇したばかりだが、すでに海外の鉄道制覇を計画中という佐藤さん。ベトナム、マレーシア、シンガポールの鉄道の乗車は終えており、年内中に韓国の全線乗車を目指しているほか、世界一の営業距離数を誇る上海の地下鉄への乗車にも意欲を見せていた。乗り鉄歴40年。佐藤さんの夢はまだまだ続いているようだ。【東京ウォーカー】