東京公演を無事終えた劇団・柿喰う客の新作「無差別」。9月27日からは福岡公演、10月3日(水)からは大阪公演がスタートする。1年半ぶりの本公演となる「無差別」は、日本の戦中・戦後の思想的転換を題材に、人間(テクノロジー)と神(自然)との共存や調和を描いた作品。作中には人間、神、獣たちが登場し、虐げられながらも力強く生き抜き者たちの姿から「生命」という壮大なテーマに深く切り込む。
作・演出、さらに今回出演もかねている劇作家の中屋敷法仁は「日常生活ばかりの演劇って好きじゃなくて。もっと神様が出てきたり、動物が出てしゃべるのが良いな、と。荒唐無稽なのが演劇の醍醐味だと思うんですね。今回は7人芝居ですが、一人芝居を7本作るつもりで作りました」と熱く語る。
独特の身体パフォーマンスやリズミカルな台詞回しで、中屋敷ワールドに引き込む手法は見事。劇団メンバー7名と共に駆け抜ける、濃密な80分だ。【東京ウォーカー】