－橋詰さんは自分が書くものと木村さんが書くものと分けているんですか。
橋詰「基本的に8割ぐらいは木村さんが書いているんですけど、『この曲は俺が書いても面白そうだな』と思ったら書きますね。そこは特に決め込まずにやってるんですけど。2人の詞のテーマ的なものは、たぶんバラバラだと思いますね。わりとポジティブなものだったり、ムーディーなものや、ファンタジーな雰囲気のするものもあるし。そこで1つこれだっていうのは決まってないかなぁ」
木村「私の場合は日々巡らせている気持ちの中から書くことが多いと思いますね。メロディーを聴いてイメージを設定したら自分の生活の中から出てきた言葉を書いていることが多いので」
－ところで、ライブでの木村さんのパフォーマンスは独特なんですが、もともとロックバンドのボーカリストだった自身のスタイルとして持っているものなんですか。
木村「いや、バンドの時は違う出し方でしたね。もっと自分の負の部分を発散する感じが多かったです。蜜になってからは人を楽しい気持ちにさせたいとか、人に見せるステージとして、こうあれたらという気持ちでやるようになりましたね。
－自然に出ている？
木村「そうですね。この間、島田珠代さんに似てると言われてめっちゃ嬉しかった。機敏な動きが（笑）」
－確かに機敏です（笑）。その動きは曲によって決まっているんですか。
木村「全然決めてなくて、ただ自分が思いついたことをやってるだけなんですよ」
橋詰「曲によって『こういうふうに聴かせたいから、ここは楽しくやりましょう』とか、ある程度ざっくりはありますけどね。細かい部分はないと思うんですけど」
木村「逆に『この曲では動いてくれるな』とかは言われますね」
－ライブで橋詰さんが木村さんのパフォーマンスを横で見ていてどうですか。
橋詰「面白いですよね。何が出てくるのかわからないので（笑）」
木村「ほんとは後でライブ音源とか聴いて恥ずかしくて赤面しますけどね。やってもうてるなって（笑）」
－そういう意味での2人のアンバランスさも魅力ですね。そんな2人の今後に向けての目標や野望はありますか。
木村「今2人で掲げているのは、ロックフェスから紅白までみたいな目標が。そういうどっちものフィールドで蜜が引き出されるようになりたいねっていうことは思ってますね」
橋詰「そのためには曲が一番重要だとは思っていて。いろんな振り幅の曲を書かないとそうならないとは思いますね。まぁでも、あんまり考えすぎてもダメなんで欲を言えばなんですけど。で、最終的には長く続けたいっていうのがあって、そのためには無理せず、やりたいことができる状態にずっとしていきたいですね」
－その中で今回のアルバムはどんな作品になったと思いますか。
木村「自分たちの今のフルコースみたいな。私はこのアルバムでかなりさらけ出している感がありまして。特に『どうしようもない』の最後は、もう何も恥かしくないっていうか、『照れないでやったれ！』ぐらいの感じでやりました（笑） 。お気に入りですね、とっても。今までの自分が作ってきたものの中で一番お気に入りだし、人にプレゼントしたくなる1枚ですね。フルコースで召し上がれ（笑）」
橋詰「アコギとボーカルでやってきた集大成みたいな感じはすごくあって、初めてみんなに聴いてほしいって思えた作品ですね」
－このアルバムを聴いてライブにも来てほしいですね。また驚きがあるよって。
橋詰「そうですね。2度びっくりしてほしいですね」
【取材・文＝村田圭子】