【GEAR'S VOICE Vol.19 PART1】の続き。
大名:ギアに参加するようになって、自分のなかで起こった変化があれば教えてください。
平本:言葉を使わない演技をすることで、目線だったり、間の取り方だったり、表現の幅が格段に広がったと思います。言葉を使う演技しかしたことのなかったころにも心がけているつもりでしたが、いまとなっては、そのころの自分がそれをできていたのかどうか分からないですね。
大名:演技をする上で心がけているポイントなどあれば教えてください。
平本:自分の感情を本当に動かす、ということです。驚くシーンでは本当に驚いていますし、悲しいシーンでは本当に悲しい気持ちになっています。一緒に演技をしている人の目線や仕草、そこで起こっている現象をしっかりと感じ取ることができれば、自然とそういう演技になると思うんです。これも、ギアで演技をするようになってから自分のなかで大きく変わったことのひとつですね。
大名:ギアでのドールの役割について、どのようにお考えですか?
平本:みんなをつなぐもの、だと思っています。一度観ていただければ分かると思いますが、ドールとはギアの世界のなかで唯一外部から入ってきたものであって、突然現れた違和感なんです。だからこそみんなを繋げることができます。この「みんな」というのには色んな意味合いがあって、パフォーマー同士をつなげること、パフォーマーとお客様をつなげること、ストーリーとパフォーマンスをつなげること、などが含まれます。ギアにはパフォーマンスとストーリーという二つの軸があって、ドールがパフォーマンス寄りの演技に偏ってしまうと、やはりストーリーが分かりづらくなるんです。ギアは、ドールが動き始めることで動き出すストーリーなので、ストーリーという軸を自分がしっかり繋ぎ止めないといけない、という意識を常に持つようにしています。
大名:これからの目標があれば教えてください。
平本:もっと上手くなりたいです。もっとお客様に楽しんでもらえるように、もっとお客様に感じてもらえるように。そのために、ただただ、もっと上手くなりたいんです。純粋に演じることを突きつめていきたいと思っています。
【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』とは?】
ブロードウェイの『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などで注目を集めた「ノンバーバルパフォーマンス」とは、言葉を全く使わない新しいタイプの舞台公演。『ギア-GEAR-』は、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの超絶パフォーマンスとプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが融合した、日本発・日本初の非言語エンターテイメント。舞台は古びたおもちゃ工場。かつてその商品だった人形「ドール」が、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」とふれ合い、感情を獲得し、人間に近づいていく感動の物語。2012年4月よりロングラン公演をスタートし、9月より新たにVer.2.00を上演! 大人から子どもまで、日本語がわからない外国の方でも楽しめる、70分100席限定の衝撃体験。