【GEAR'S VOICE Vol.20】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」劇場周辺散策@新風館

関西ウォーカー

伝統的で和を感じる街「京都」にもクリスマスはやって来ます!絶賛公演中のノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」の連載コラム第20回目(毎週木曜日更新)。

今回は制作スタッフの大名(だいみょう)が、京都の街中のイルミネーションスポット「新風館」をご紹介します。

この建物の一部は大正15年に逓信省の電話交換施設として建てられた近代建築です。逓信省とは現代の郵便局とNTTとが一体になった、とても大きな政府の事業体で、当時、先進的な施設や建造物をたくさん建てる必要があり、それらの建造物は後に逓信建築とも呼ばれるようになりました。(※郵便マークは逓信省の頭文字「テ」をかたどったもの)

設計者は逓信省営繕課技師の吉田鉄郎。吉田は学術的建築でも活動をしており、日本の居住文化を海外に知らしめる為にドイツ語や英語での紹介をしておりました。それが逆に日本語翻訳をされ、現代の学生たちにも当時の日本の居住文化を易しく教えてくれています。

 時は昭和を駆け抜け、2001(平成13)年、京都電信交換局の建物は商業施設「新風館」としてオープンしました。リノベーションプランはNTTファシリティーズとリチャード・ロジャース パートナーシップジャパンとの共同設計。リチャードロジャースはパリのポンピドゥーセンターの設計でも知られる、世界的な建築家です。彼の手法は一見して異物と思えるものを外観側にむき出しにして、街に対して建築が放つ力を利用することです。そうすることでパイプスペースなどの設備的な空間を外部に追い出し、内部空間をより有効に使えるようにする狙いもあります。しかしながら、パリにしてもそうですが、建設当初の市民の反感は避けることの出来ないものです。現代日本で言うところの炎上マーケティングのようなエネルギー発散とでも言いましょうか、反感を買うことで注目を集め、その建築が存在感を持つ訳です。

 同じ手法が新風館の場合は中庭空間に使われています。烏丸通にたたずむその建物はまさに近代建築。それがエントランスから中庭に入った途端、ある種 遊園地のようなにぎやかな風景に変貌します。中庭には野外ホールがあり、単なる商業施設ではなく、ここから話題を発信するという設計当時の思惑が読み取れます。そしてクリスマスシーズンのいま、中庭全体がイルミネーションで飾られており、冷え込む京都の夜を、温かい気持ちで過ごさせてくれることでしょう。

【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』とは?】

ブロードウェイの『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などで注目を集めた「ノンバーバルパフォーマンス」とは、言葉を全く使わない新しいタイプの舞台公演。『ギア-GEAR-』は、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの超絶パフォーマンスとプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが融合した、日本発・日本初の非言語エンターテイメント。舞台は古びたおもちゃ工場。かつてその商品だった人形「ドール」が、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」とふれ合い、感情を獲得し、人間に近づいていく感動の物語。2012年4月よりロングラン公演をスタートし、9月より新たにVer.2.00を上演! 大人から子どもまで、日本語がわからない外国の方でも楽しめる、70分100席限定の衝撃体験。

【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』】

会場:アートコンプレックス1928

住所:京都市中京区三条通御幸町角1928ビル3F

問い合わせ:0120-937-882

※フリーコールをご使用できない場合 075-254-6520(有料)

<公式サイト>http://www.gear.ac

<公式facebook>http://www.facebook.com/cco.gear

<公式twitter>@nvpgear

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