地元・関西での大舞台に挑む安田美沙子! 「舞台もマラソンのようにひとつひとつです」

関西ウォーカー

安田美沙子が新歌舞伎座の大舞台に、時代劇のヒロインで登場! 杉良太郎を主演に上演される「樅ノ木は残った」、山本周五郎の傑作歴史小説の舞台化だ。江戸時代初期、幕府の陰謀から仙台藩・伊達家を守るため命を賭けた原田甲斐の孤高の生き様を描く。安田は、理不尽な理由で両親を殺された娘・宇乃。彼女は甲斐に助けられ、一緒に暮らす中で心を通わせていく…。地元・関西で初の大舞台、初の時代劇、そして休演なしの長期公演も初体験。稽古中に来阪、その意気込みを語った。

Q:杉良太郎さんは知っていましたか?

「少しだけ、です。母は、『え~! あの杉さま!?』って(笑)。今、個別で教えていただいています。草履での歩き方や、女の子の所作も杉さんがやってくださって。真似するしかないですね。着物は好きなんですが、自分で着ることが出来なくて。帯が難しいので、これも今、練習中。課題だらけです。ヤバイです!」

Q:3回目の舞台ですよね?

「全然まだまだ、基礎も出来ていない。すべて覆されている感じです。セリフの言い方もまったく違うし。今までのことを全部忘れて、ゼロからの気持ちで、ニュートラルにやるしかない。杉さんは、多分厳しいんですけど、そこに愛があるのがわかるので、付いて行こう!って思っています」

Q:負けず嫌いですか?

「はい、そうです(笑)。絶対に頑張るって思っているし、負けない、失敗も絶対しない!と。実は私、中身は男っぽいんです(笑)。私が演じる宇乃と、芯が強いところは似ているかも。私はもともと気が強いし、自分が思った事は実行するというところも似ていますね。宇乃は、健気にまっすぐ甲斐を想う女の子。年の離れた甲斐は憧れであり、恋愛であり、離れていても心が通じる不思議な感覚の関係性。私は、前世でつながっていたのかなって、勝手に解釈しているんです」

Q:杉さんが安田さんを写真で見て、推薦されたそうですね?

「はい。宇乃に似てる、と言われました。『女優になりたいか?』と聞かれて『なりたいです』と控えめに言ったんですけど…。そういうこともあって、この舞台は自分の人生において大きな作品になると思うんです。本当に全力で、魂を込めて演ろうと思うので、一人でも多くの方に来てほしいです。地元なんで、知り合いもたくさん来てくれると思うから、ウチがずっとやってきたことを『あぁ、こういうことか』って見てもらいたいですね」

Q:20日間休みがなく、しかも2回公演も多い全32公演!

「こんなに長く、休みがないのも初めてです。でも、体力には自信があるので大丈夫。3月には名古屋でウィメンズマラソンに出るので、トレーニングとこの舞台を並行しないと行けなくて。なかなか大変ですね。走ることは好き。仕事であり、趣味でもあります。明日は20キロ練習!(笑)」

Q:どんな女優さんを目指していますか?

「緒川たまきさんが好きなんです。すごくキレイなのに、すごくおもしろい。それがカッコイイなと。飾りたくないんです、関西人だし。人間味がある女優さんになりたいですね」

Q:舞台は好きですか?

「はい、好きです。練習時間がいっぱいあって、そこで辛い思いをしても本番に向かう時間が楽しい。で、本番が始まったら、絶対に失敗できない舞台に立って…。最後にカーテンコールで拍手をもらう感覚が、すごい快感でした。舞台に出る前は自分の心臓の音が聞こえるぐらいメッチャ緊張しますけどね。大変だし緊張するけど、その分、楽しいです。今回もそう。やるしかない! マラソンみたいにひとつひとつ、ですね。だから、打ち上げのお酒は絶対おいしい(笑)」

Q:関西に来た時、必ず行くところは?

「時間があったら必ず実家に帰ります。幼なじみが、二条木屋町にある割烹で修行をしていて。カウンターに座って、目の前で鱧(はも)を焼いてもらったりして、その頑張って売る姿を肴に、お酒をいただく。「お互い頑張ろな」って言いながら。私お酒好きなんです(笑)。それから食べ物で好きなのは、チーズとオムライス、パンケーキも好き。最近では塩麹にハマってます(笑)」

Q:ファンのみなさんへメッセージをください

「感情で展開して行く物語なので、登場人物それぞれの感情がしっかり前に出て伝われば、と思います。みんなの想いを受け取ってほしい。宇乃に感情移入してくれて『甲斐さん、カッコイイ!』って思ってくれたらいいな(笑)。新年の作品だし、着物で来ていただけるのもうれしいですね」

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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