【GEAR'S VOICE Vol.26】ノンバーバルパフォーマンス「ギア-GEAR-」制作スタッフ・大名インタビュー@『京味菜 わたつね』

関西ウォーカー

京都の街で絶賛公演中のノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』の連載コラム第26回目(隔週木曜日更新)。今回は、いつもお話を聞く立場の制作スタッフ・大名(だいみょう)がインタビューを受けました!「みなさまこんにちは。風邪を引いております、大名です。さて、今回のインタビューは、僭越ながらわたくし大名こと城戸(きど)が受けることになりまして、同じく制作スタッフのゆうじくんにインタビューをしていただきました(笑)」

ゆうじ:というわけで、今回のインタビューは僕が担当させていただきます。よろしくお願いします。今回は『京味菜 わたつね』さんにお邪魔しています。ここを選ばれたきっかけは?

城戸:オフィスの近くにあるお店で、外でお昼を食べる時間がある時はよく来ているのですが、天ぷらやお蕎麦が美味しいんです。だしの風味を味わえるお店ですね。ちょっと贅沢な気分になれる定食屋さんで、すごくお勧めですよ。

ゆうじ:だしも関西らしい薄味で、上品な感じですね。城戸さんとは、いつも一緒にお仕事をさせていただいているので、何を聞けばいいのか逆に分からなくなっているのですが(笑)、まずは普段のお仕事についてお伺いします。

城戸:普段は、ギアの宣伝活動やチケットの管理、公演日にはお客様をお迎えするお仕事なんかもしています。

ゆうじ:公演を成立させるために、色々と縁の下で支えているのが制作という役割なんですね。僕も携わっていますが…。今のお仕事をされるまでの経緯は?

城戸:高校・大学時代は美術系の勉強をしていたんです。特に大学では建築を専攻していて、大学を卒業してからは設計事務所で働いていました。

ゆうじ:そうだったんですね。建築も美術の一種なんですね。

城戸:そうですね。美術は、大きくは純粋芸術とデザインに二分できると思うのですが、画家とデザイナーの違いを想像していただければ、何となくイメージができると思います。純粋芸術には、自分の中に何かを表現したいという大きなパワーが必要なんです。一方で、デザインというのは、どちらかと言えば社会との関わりが強いと言うか、商業とも結びつきやすいものだと思います。建築はどちらかと言えばデザイン寄りの仕事で、色んなルールや予算があって、その中で何ができるかを考える。僕は子どもの頃から、条件がある中で工夫することが好きだったので、性に合っていたんだと思います。

ゆうじ:建築の仕事を経て、今の仕事を始めた経緯は?

城戸:学生の頃からイベント関係のアルバイトをしていて、設計事務所で働きはじめてからも週末にはイベントのお手伝いをしたりもしていました。その色んな縁の中のひとつが、今の職場でした。学生の時に友人の劇団を手伝っていて、その公演会場が今のギアの会場(ART COMPLEX 1928)だったんです。それから、ここで色んなイベントのお手伝いをさせてもらって、色んな経験をさせていただいて、今に至ります。

ゆうじ:ところで、大名というあだ名の由来って何なんですか(笑)?

城戸:『ギア-GEAR-』のプロデューサーでもある小原氏につけていただいたあだ名なのですが、僕がまだボランティアで来ていた頃に、昼休憩中の僕の横に座って、小原氏が「おー、お前よう動くやんけ!なんぼで働くねん?」と唐突におっしゃったんです(笑)。

ゆうじ:単刀直入ですね(笑)。

城戸:当時、僕はまだ学生だったので、「食べていければ大丈夫です!」と答えたら「ほな米で雇ったろ!そやしお前は大名やな!」と言われまして、それ以来、大名です(笑)

ゆうじ:そんな逸話があったんですか(笑)。お金ではなく、お米で労働の対価を納めてもらう、と(笑)。

城戸:まあ、もちろん冗談なんですけどね(笑)。

ゆうじ:さて、大名というあだ名の由来も知れたところで、ギアの話に移りましょう。この作品について、どのような考えをお持ちですか?

城戸:今や劇場や映画館に足を運ばなくても色んなメディアを見ることのできる時代になりましたが、それとライブパフォーマンスの楽しさは一線を画すものだと僕は確信しています。日本では時代ごとに様々な形式のライブパフォーマンスが大衆を魅了してきました。神楽や能、狂言、歌舞伎、昭和に入ると歌劇や現代劇が一世を風靡しました。そして、それらは今なお大衆に親しまれています。ノンバーバル(=非言語)パフォーマンスがそうなれるかどうかは分かりませんが、ギアはそういうところを目指したいと思っています。

ゆうじ:最後に、この記事を読んでくださっている皆さまにメッセージがあればお願いします。

城戸:お客様として作品を楽しんでいただくのはもちろん、小劇場のロングラン公演という、日本の中で“新しい試みにチャレンジしている”ということを知ってほしいな、と思います。この作品をきっかけとして、ライブパフォーマンスの楽しさに気づいてくれる人が増えたら嬉しいですね。ぜひ劇場へ足をお運びください。いつでもお待ちしております。

【ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』とは?】


ブロードウェイの『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などで注目を集めた「ノンバーバルパフォーマンス」とは、言葉を全く使わない新しいタイプの舞台公演。『ギア-GEAR-』は、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの超絶パフォーマンスとプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが融合した、日本発・日本初の非言語エンターテイメント。舞台は古びたおもちゃ工場。かつてその商品だった人形「ドール」が、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」とふれ合い、感情を獲得し、人間に近づいていく感動の物語。

来たる2013年2月11日、いよいよVer.2.00が最終公演を迎えます!大人から子どもまで、日本語がわからない外国の方でも楽しめる70分100席限定の衝撃体験を、お見逃しなく!

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