【WEB連載】田中稲の仮想DJ「昭和歌謡エンドレスリピート」 15曲目「バレンタイン・キッス禁止令」

関西ウォーカー

突然ですが、もうすぐバレンタインです。ええ、カップル大盛り上がりの日。女子から男子にチョコやらプレゼントをあげてラブラブッてな日ですよ、コォッ!(←呼吸困難)

しかしここ数年は女性1人で「本命チョコ」「自分チョコ」「義理チョコ」を買い分けるのが主流らしい。しかも今年は特に「義理チョコ」購入者が増えていると何かの記事で読んだぞ。うーむ、こうなると、なにやら「感謝の日」に近くないですか。いやいや、自分用にも購入するんだったら、もういっそ単に「チョコの日」でえーやん。あかんのかい。

……とまあ、バレンタインに物申す私と同じ気持ちの人が多いのかそうでないのか、なぜかバレンタインをテーマにしたヒット曲が少ないという事実。様々なアーティストさんがいろいろ発表してはいるものの、なぜか大ヒットにつながらない不思議。

いや、ある。あるには、ある。言わずと知れた国生さゆりの高音テッテケテー歌唱が独特な「バレンタイン・キッス」が! しかーし。今回、この「昭和歌謡エンリピ」(←勝手に省略しましたすいません)ではあえてこれを「禁止」する方向で行こうと思う。

嫌いじゃないのだが、「バレンタイン」なのに「キッス」は。いや、カップルならそれもエエのだが、歌詞を読んでみると、相手がまだオッケー出しとらんのですよ。それどころか告白もまだ。歌のヒロインはチョコを用意している段階なのですよ。しかし積極的にもほどがあり、すでに彼を「ダーリン」と呼ぶ始末。さらには

「よーし、チョコだけじゃ他との差が付かないから最後のダメ押しとしてキッスで攻めよう!」と驚愕の妄想&計画を立てておる。やめなさいって。フライングが過ぎるじゃろうて。ドン引きされる危険性もあり、ハイリスク以外のなにもんでもない。デンジャラース!!

中野忠晴さんの「小さな喫茶店」をお聞き。ふたりで喫茶店に入ったものの、お茶とケーキを挟んで、一言も話せずただただ向き合う初々しさよ。河合奈保子姫の「ラブレター」をお聞き。好きですという一言がどうしても言えず、ラブレターを出そうと思っただけでも「ためらいらいらい」と心でドモってしまうほどの緊張!

まあなんですな。私が言いたいのは、ある程度“勝算”があったとしても告白タイムは「ドキドキしてなっかなか態度に出せない」という恥じらいがあってこそナンボという非常に偏った意見で申し訳ない。ということで(どういうことで?)「バレンタイン・キッス」は禁止。ジャケ写もナシだ!

今回の締めの一曲は、友人から相手も自分の事が好きらしいと情報が入った“瞬間”のときめきを見事に切り取った松本伊代ちゃんの名曲「TVの国からキラキラ」で。この“友達とガッツリ協力体勢”での恋愛成就感は学生ならではですよね。ああ、胸キュン。

また次回、お会いいたしましょう。田中稲でした。

【文=田中稲】

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