ランニングやウォーキングが大ブーム。特にウォーキングは、全国民の約2割が実践しているほどの人気ぶりだ。
先日行われた運動についてのセミナーでは、「運動後に“乳たんぱく質(アミノ酸組織が人の体内たんぱく質と近い栄養素)”を摂取すると、健康維持に良い効果がある」ということが紹介された。セミナーでは、信州大学大学院医学系研究科・教授の能勢博先生と、公認スポーツ栄養士のこばたてるみさんが講演した。
最近の信大の研究では、「適度な運動によって、遺伝子の働きを変え、がんなどの原因となる“遺伝子の炎症”を抑制することができる」ということが明らかになっている。能勢教授はそれに加えて、「運動は、“乳たんぱく質”とセットにすることでさらに良い効果をもたらします」とコメントした。
この適度な運動の代表として研究で使われたのが能勢教授の開発した「インターバル速歩」。インターバル速歩は「ややキツイ」と感じる程度の速歩と、3分続けたら「ゆっくり歩き」に戻して3分と、これを繰り返すだけなので通勤時にも気軽にできる運動法。この繰り返しを一日10分程度、週に1時間以上を目安にすると効果的だそうだ。
「『インターバル速歩』などの“ややきつい運動”の後に、たんぱく質と糖質を豊富に含む食品、たとえば牛乳などを摂ると良いんです。しなやかな筋肉を作ることができると共に、血液量を増やし、基礎代謝の高い丈夫な体を作ることができるんです」と紹介した。ややきつい運動をすると筋肉が損傷し、再構成するための材料が必要となるが、乳たんぱく質がその材料になるのだそうだ。
そして、プロアスリートへの栄養指導を行うこばたさんも、乳たんぱく質の役割と有用性について説明。「乳たんぱく質は、運動直後、できるだけ速やかに摂取した方が筋量が増えます」と話し、「アスリートには、主食1皿・主菜1皿・副菜2皿・果物1皿・乳製品1皿と“6つのお皿”を揃えますが、運動後の補食としても、乳製品と糖質を用意します。これで筋量がアップしますし、怪我をする人も少なくなるんです。やはり、低価格で効率良く摂取できるミルクは、運動後にも手軽なのでお勧めですね」と教えてくれた。
血液量や筋力、基礎代謝アップをサポートするという乳たんぱく質。この春から、肉体改造にチャレンジしたいと考えている人も、是非、インターバル速歩とコップ1杯のミルクのチカラを見直してみては?【東京ウォーカー】