ことし結成15周年を迎えたMONGOL800。約4年ぶりのニューアルバムについて語る!

関西ウォーカー

 結成15周年を迎えた今年、約4年ぶりにオリジナルフルアルバムを発表した。『GOOD MORNING OKINAWA』という力強いタイトルも印象的。4年間という時間の流れ、沖縄というテーマが何故フォーカスされる事になったかについて聞いてみた。

―単純に期間だけだとオリジナルアルバムだと4年ぶりになりますが、どのように4年を過ごされていましたか。

キヨサク「最近は、他のミュージシャンの方からオファー仕事も多く頂けるようになったんですね。それはそれで凄く勉強になるし、引き出しも増える。結果4年空いたけど、修業していた感じですね。それに4年くらいが、自分たちのペースには合ってます。他の仕事は、そのミュージシャンの方の色を引き出しつつ、どれだけモンパチの色も出すかという点が大事だと思うんです。その歩み寄りのバランスも、どんどん上手になってきましたね。モンパチの何を求められているかとか、自分たちらしさであったり、今出したい音であったり、そういうのを考えられるいい勉強になりました。最近は、お客さんも、そのペースをわかってくれていて、1枚のアルバムを大切に楽しみに聴いてくれるんです。『次、また4年出ないから大切に聴こう!』じゃないですけど(笑)」

サトシ「何気に4年経ってましたね。でもイベントをやってたり、ツアーも回ってるし、退屈な日々ではないですから」

タカシ「他のバンドって、どんなもんなんですかね!?『神様』(前作収録曲)だって、つい最近出したと思ってたくらいなんで(笑)」

―今回、『GOOD MORNING OKINAWA』というタイトルも強い響きがありますよね。

キヨサク「昨年は、沖縄が本土復帰40年目だったんですね。新聞などで知識人の方やミュージシャンの方と話す機会も多くて、そんな感じで1年を過ごさせてもらいました。今年は自分たちが15年目だったり、沖縄も41年目と新たな時代に入るので、節目の年だなと。沖縄の夜明けを感じたんですね。なので、沖縄の本気の声をあげようかなと思ったんです。今までは出来た曲が集まってから(アルバムタイトルを)付けてましたけど、今回は最初から、この言葉(『GOOD MORNING OKINAWA』)がありましたね」

タカシ「そうなんですよね。今回は普段と違い、先にタイトルがあったんです。でも、ゴロも良かったし、ジャケットも良いイメージになりましたね」

―今作で沖縄を強く感じたのは、「KAGIYADE-FUU」のメロディーだったんです。ラストの13曲目が終わってからも、3分くらいしてボーナストラックのように再び聴こえてきたりして。それが、また何かほっとして落ち着いたんです。

キヨサク「1曲目は、『かぎやで風節』という沖縄の古典的な民謡なんです。結婚式とかだったら、必ず一番最初の幕開けで演舞される曲で、お決まりのオープニング。今回は15周年の自分たちのお祝いごとだし、(1曲目は)これしかないかなと。本当は最初バグパイプだけで演奏すると面白いかなと思って、赤犬のテッペイさんにお願いしたんです。でも、何だかんだお互い忙しくて、録れるのが後半になってしまって。そしたら、ちょうどタカシの曲で、沖縄民謡のよなは徹さんに入ってもらう事があったんです」

タカシ「三線を入れてもらいたかったので」

キヨサク「それで、三線を保険で録ってたんです。結果、『三線でスタートが落ち着くよな』ってなって。最後に取って付けたようにテッペイさんのバグパイプバージョンをボーナストラックで入れたら、落ち着いてくれた人がいたみたいなんで結果オーライですけど(笑)」

サトシ「(笑)。でも、バグパイプで録ったら、中国の曲みたいになって不思議だった」

キヨサク「そうそう。最初はドロップキック・マーフィーズ(アメリカのパンクバンド。アイリッシュパンクの代表格)みたいにしたくて、バグパイプを考えていたんですよ。実際、録ったら、自分のイメージとは違って、神々しく聴こえてきたのは不思議でした。なので、(1曲目は)古典的に始まる三線のにしたんですが、こうやって作りながら変わっていくのも面白いですね」

―本当に最初と最後に繋がるものを感じて、ぐっときました。本当にライブの方も楽しみにしています。

キヨサク「ありがとうございます」

【取材・文=鈴木淳史】

注目情報