漫画が原作のドラマ「町医者ジャンボ!!」でセクシーな看護師の長尾千種を演じる。最近、露出が増えて、視聴者の印象により残るようになった彼女だが、今回は良い意味で裏切られる…、つまり驚かされる役柄。その事を彼女自身が楽しんでいる事が、今回のインタビューで伝わってきた。
―まずは、原作を読まれての感想は、どのようなものでしたか?
「原作を読ませていただいて思ったのは、感動物語だなと。港町を舞台にした地域医療の抱える問題点を軸に、地域住民との交流や人間の絆の深さが描かれているので1冊読むごとに感動して泣けるんですよ。その中で、私の役は割りとセクシーでして(笑)。イメージではないんですけど、それを自分流に作り上げるのが楽しいです。原作があってもなくても、役づくりは変わらないんですけど、人物を知るヒントとしては原作を活用しますね。原作は原作として楽しんで、ドラマでは自分に全てを任されているので、とにかく楽しんでいます。原作とドラマは、別物として楽しんでいただければいいと思います」
―原作がある作品は、イメージを凄く求める原作ファンもいる中、そこをいい意味で裏切るかが楽しいのかなとも思ったのですが。
「そうですね。原作のイメージだけを追うなら、私とは全然違うのかも知れないですけど、そういう自分にない“色気”をどう見せるか挑戦するのは楽しいですね。内面で言えば、彼女自身持病もあり常に命と向き合っている人なので、彼女が放つ“生きる強さ”のようなものを表現できたらなと。」
―ご自身の役柄以外のお話もお伺いしたいのですが、共演の眞木大輔さんと忽那汐里さんの印象は、いかがでしょうか?
「眞木さんはすごく気遣いの人で温厚なもの静かな方なんですが、爆笑する時も静かなんですよ(笑)。汐里ちゃんが、それを見て、また爆笑したりして。そんな温厚な眞木さんが、荒くれ者のジャンボを演じればそれらしく見えてくるのでお芝居って不思議です。それと(EXILEの)ツアーの度にお土産を買ってきてくださるのが嬉しいですね(笑)。汐里ちゃんはマイペースで、まだ若いのに大人の雰囲気がありますね。でも、あどけなさも持っている。演じる役柄はドジでダメな子なんですけど、実際は声も低くて『家では、ラジオを聴いていますね』なんて言う落ち着いた子ですよ。自分が年上なのが、恥ずかしいくらい(笑)。役作りで言えば、みなさん、原作をベースにオリジナルの役柄を確立されてるなあと思います。撮影に入る前の読み合わせで、この人はこんな風に作っていくんだという事がわかったので、撮影初日には私もスッと入れましたね。」
―現場に実際に入って大変だったと感じた事はありますか?
「1話につき1回、医療用語を含めた説明台詞があるのは正直大変です。初めて口にする言葉が多いですから、言葉の意味を理解してリズムを作って、あとはひたすら繰り返し諳んじる(笑)」
―ずっと撮影をされているイメージがあるのですが、役柄の切り替えは、どのような感じなのでしょうか?
「役が似てると『何?!』となるんでしょうが、違う役柄ですし、衣装をつけると、その役柄が入ってくるので切り替えは難しくないですよ。因みに今回は、衣装のナース服のチャックを胸元ギリギリまで下ろしてセクシーを表現するという姑息な手段に出ています(笑)。あと、ずっと好きだった役者さんである尾美としのりさんと初めて共演させてもらったんですが、読み合わせの時から独特の雰囲気で他を圧倒されていて、鳥肌が立ちました。キャリアが長くて実力もあるのに、気さくで自然な雰囲気なのも理想的でした」
―本当に今までの羊さんのイメージからしたら今回は異色の役柄だと思うんですが、視聴者の方も驚かれるでしょうね!
「そうですね、間違いなくNHK連続テレビ小説『純と愛』で知ってくださった方々は度肝を抜かれるでしょうね(笑)。温かい目で観て“ギャップ”を楽しんでいただけたらなと。何かの役が観てくださった方の心の中で印象に残っているのは、嬉しいことです。それを良い意味で裏切って、驚かすのもまた楽しいんですよ」
―本当にそうですね。また、インタビューでお逢いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました。
【取材・文=鈴木淳史】