8月3日(土)から7日(水)まで、大阪 梅田のグランフロント大阪北館4階 ナレッジシアターで、平日5回、土日6回の計27公演が開催される、関西初になる、「HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑」のプレスプレビューが行われ、生みの親であるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長が会見を行い、コンサートから「千本桜」など2曲が披露された。
伊藤社長は、会見の聞き手である、ナレッジキャピタルの総合プロデューサーである野村卓也氏が札幌に訪ねてきた時から、知の資本=ナレッジキャピタルという発想に共感したそうで「これまでの企業はトップダウンだったが、初音ミクでやっていることは限りなくボトムアップ。一人一人のクリエイターがビジネスでなく曲を持ち寄りプロ・アマ関係なく知を集積してできたもの。まさに同じものを感じます」
また夏祭初音鑑というコンテンツについて「文楽の夏祭浪花鑑から、アスキー・メディアワークスの福岡俊宏さんが着想したのですが、生きていない人形と、コンピューター・グラフィックやアバターに命を吹き込むのは親和性があるのではないでしょうか。日本独特の神懸かりのスキル。文楽の本拠地でもある大阪はこういう文化に慣れていると期待しています」
初音ミクさんという呼び方については、「初音ミクに『さん』づけするのは二つ意味があると思います。一つは架空の人物にふさわしい敬称。また、もう一つはキャラクターであるとともにある種のコミュニティであり、そのコミュニティへのリスペクト。『ちゃん』だと軽い。コミュニティに感じている崇高さへの敬意が『さん』という呼び方になるのだと思います」
今後については「長く開発をしてきた英語版の初音ミクがようやく納得の行くレベルになってきました。Mac版初音ミクと共に発売します。この事には二つ意味があって、一つは海外の初音ミクの(P)が生まれる。また、逆に日本のクリエイターが世界で活躍できる。実際、日本語版でも台湾、中国、韓国にもファンが多くいて、彼らは日本語で歌い、日本語が好きだという人もいる。ネットで広がって行くことは収益にはしにくいかもしれないが、世界中に日本のファンを広めて行ってくれているわけです。今後は各国のフォーマットも提供して行きたいですけどね。今や個人個人がメディアであり、みんなが参加することで新しいムーブメントを作って行って欲しいです」
グランフロント大阪では、既に7月12日から「初音ミクのかくれんぼ」「初音ミク降臨ARライブ」が開催中。この二つは8月6日まで。