7月26~28日、新潟県湯沢町・苗場スキー場にて開催された「フジロックフェスティバル'13」。26日が3万人、27日が4万人、28日が3万1,000人を動員し、総来場者数は7月25日の前夜祭を含めると、延べ11万1,000人を動員した。集まったフジロッカーたちは、ゲリラ的な雨や雷雨など、変わりやすい山の天気にも動じることなくライブを楽しんだ。
ことしの注目はというと、やはり2日目グリーンステージのトリを飾ったビョーク。色鮮やかなつぶつぶのDNAバルーンドレスに身を包み、新作「バイオフィリア」を中心に展開。実に神秘的なステージで、フジロックの大自然と溶け込み、太古に通じるようなハーモニーをコーラス隊と奏でる。一曲終わるごとに「ありがと!」というビョークが微笑ましく、会場を和ませながらも、ラストは炎の演出もあり、圧倒的なライブをみせた。
グラミー賞を席巻したアーティスト勢の活躍も素晴らしかった。1日目のホワイトステージでトリを飾ったスクリレックスは、まだアルバムリリースをしていないにも関わらず、グラミー賞を2年連続受賞し、世界中で引っ張りだこのDJだ。ステージには、SFに出てくる戦闘機のようなセットが現れ、語弊を恐れず言ってしまうと、まるでロボットレストラン(新宿)のよう。90分という長いセットながら、畳み掛けるように盛り上げ、映像、スモーク、火柱、四方に広がるレーザー照明などお祭り感も半端なかった。
また、グラミー賞主要部門・最優秀アルバム賞を堂々受賞したマムフォード&サンズは、3日目グリーンステージに登場。海外ではもはやヘッドライナー級のアーティストだが、これが初来日。期待度も高かったが、ロサンゼルス出身の3姉妹バンド、ハイムが客演したり、グラミー賞授与式でも演奏した「I Will Wait」では大合唱が起きるなど、実に楽しい、文句なしのライブを披露した。
そして、感動を呼び起こしたというとBRAHMANだ。彼らは1日目のグリーンステージに出演したが、日本のバンドでトリ前(トリはナイン・インチ・ネイルズ)という大役を務めた。ボーカルのTOSHI-LOWはフジロックフェスティバルを雨が振ってもびくともしないタフな客がいる「17年間続けている、信頼あるフェス」と称し、トリ前を務めることの意味や東日本大震災のことにふれ「もう後悔はしたくねえから。俺達は何を変えるべき、俺達は何を変えないべき。フジロック初日、グリーンステージ。今日もたくさんのことをこのステージに教わりました」と続け、迫力あるパフォーマンスで会場を熱狂させた。
こうしたミュージシャンシップに溢れるステージはフジロックフェスティバルの醍醐味だが、照明を駆使したり、シンプルすぎる構成が逆に感動を呼び起こすなど、演出はそれぞれ。注目ステージのライブ写真を公開しているので、ぜひともチェックしてみよう。【東京ウォーカー】