ブームの兆し!?京都の西京味噌を使った西京なべを食べてみた

東京ウォーカー(全国版)

2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に「和食 日本人の伝統的な食文化」が登録された。国内外で和食への関心が高まっているが、そんな中で注目したいのが、日本の飲食業界でじわじわとブームの兆しを見せている、京都の西京味噌を使った西京なべだ。今回、どんな味わいか気になった鍋好きの記者は、このメニューを展開している店を直撃!実際に食べて、その味を確かめてきた。

取材前に、飲食関係の業界関係者に話を聞いたところ、「京都伝統の西京白味噌は、米麹をたっぷり使い、甘く優雅な味わいと塩分の低さが特徴です。近年、この西京白味噌の魅力が注目され、京都料理の専門店以外でも多く目にするようになりました。冬は特に、西京白味噌を使った西京なべを提供する店舗が増加傾向にあります」とのこと。実際に、流行の発信地である渋谷や恵比寿などでも、西京なべをメニューに掲げる店が登場しており、新たな日本の鍋料理として定着していく兆しが見受けられるという。

今回は恵比寿のイタリアンダイニングLeaf Cafe&Diningへ行ってみた。ここではタジン鍋を使った2つの洋風鍋「鶏肉団子と根菜のクリーム西京なべ クリームニョッキを添えて」と「魚介たっぷりブイヤベース風西京なべ オレンジピールの香り」(いずれも2人前1800円より。冬季限定)が食べられるのだ。

肉がメインの、鶏肉団子と根菜のクリーム西京なべは鶏出汁に西京白味噌がベース。具材は鶏肉団子やゴボウ、蓮根などのたくさんの根菜、キノコを使用している。そして注目は、西京白味噌とチーズが隠されたとろけるニョッキと、西京白味噌に漬け込んだベーコン。ニョッキは味噌とチーズ両方の味がしっかり感じられ、インパクト大のベーコンは深みのある味わいに。ベースのスープは、たとえて言うなら、豆乳なべの優しさ、クリーミーさにコクを足した感じで、思っていたよりも甘くなく、クセになる味わいだった。店長の田中景祐さんは「鶏ベースの出汁に独特の味わいがあるので、京都の西京味噌は多めに使い、濃厚な味わいにしています。根菜のサクサクとした歯ごたえや、ニョッキからとろけるチーズと西京味噌のクリームなど、味と共に食感も楽しんでほしいですね」と語る。

一方、魚介がメインの魚介たっぷりブイヤベース風西京なべは、トマトと西京白味噌がベース。ムール貝、アサリ、ハマグリなどの貝類とエビ、そして大きな鯛の身が入っており、香り付けの香草とオレンジピールが一味違うアクセントになっている。見た目は完全な洋風鍋だが、味の根底で決め手となっているのは、こちらもまろやかさを演出する西京白味噌だ。見事に和洋折衷の味わいになっていた。オレンジピールは予想よりも多く使用されていて驚いたが、全く違和感なく、爽やかさが増して美味しい。田中さんは「トマトベースに西京白味噌をプラスすることで独特のコクとまろやかさを出しています。魚介のお鍋ですが、少し苦味のあるオレンジピールを使うことで後味がさっぱりしているのでとても食べやすいんですよ」と笑顔で美味しさの秘訣を話してくれた。

2つのメニューは、綺麗になりたい女性のために考えた洋風鍋だそうで、どちらも美味しさ、見た目、ヘルシーさの三拍子が揃った鍋。ワインやカクテルにマッチするので、飲み会にもお勧めだ。歴史ある京都の西京味噌を使った新しいトレンド鍋となっている西京なべ。鍋物が恋しくなる冬は、はんなりとしたこのメニューを店や家庭で是非楽しんでもらいたい。【Walkerplus】

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