【その2】スーパー歌舞伎II(セカンド)「空ヲ刻ム者-若き仏師の物語-」が4/5(土)~20(日)に開催!市川猿之助にインタビュー

関西ウォーカー

※【その1】の続き

Q:このポスターは…。

「歌舞伎は、この人は悪人、この人は善人と、見た目で全部わかるようになってるんです。赤と青だけで対立しているとわかるし、月と太陽みたいなイメージでもありますね。ボクのポスターのイメージは不動明王の仏像です。かと言って、仏像が主題になるような話でもなく、勧善懲悪大スペクタクル劇だと思っていただければ」

Q:見どころは?

「ボクと蔵之介さんと二人で宙乗りします。二人で空を飛び、最後は大乱闘、大立ち廻りになります。物語は、起承転結が1幕ごとの中にもあり、全体が起承転結になっている作り方です。場面転換も効果的でスピード感が出せる手法を使います。蔵之介さんと笑也さんとのラブストーリーもちょっとありますがメインではなく、あくまで二人の友情、生き方を軸に、いろんなものが絡んでくるっていうふうに考えてください。最後に楽しかった、おもしろかったって言って、幸せな気分になって劇場を出て行ってもらうのが一番です。チケット代は一等席1万5000円だけど、きっと納得していただけるものにします」

Q:制作者としての思いはいつから?

「いつかやりたいと思って、ずっと考えていましたから。でも、己が描いているビジョンなんて大したことない。そこに前川さんや様々なスタッフが入って、思いもよらぬものが出来て来るからおもしろい。理想は語りますが、その理想がどこまで実現するかは各部署の采配に任せます。信頼のおける仲間たちばかりなので、ほんとによくやっていただいてます」

Q:蜷川さんの舞台など、役者としての外部出演も。

「作る作業がおもしろいんですよ、蜷川さんと共にやっていくのがね。そこで得たものが、歌舞伎に活かせてるかどうかはわからないですけど、人生が豊かになってることは確かです。これからも外でいい出会いがあれば。創作力を刺激される方、演出家でも共演者でも、テレビでも舞台でも、媒体も問わない。その成果を持ちかえって『スーパー歌舞伎II(セカンド)』をシリーズで続けられるといいですね」

Q:今後の野望は?

「何もないです。人との出会いでポンと生まれてくるかもしれないから。だから、常にニュートラルにしていますね。これまでもこれからもニュートラルで、どんなことでも対応できるように自分をしておきたいなと。自分一人で考えることは、しょせん狭い範囲ですからね」

Q:歌舞伎初心者へのメッセージを。

「歌舞伎の良さは実際観ていただかないと。まずは劇場に足を運んでください、しかないですよね、ほんとに。蔵之介が出てる、おもしろそうじゃんって、観に来て下されば。様々な演劇の中でアンテナがピピピッときたらね。世の中これだけおもしろいものがあふれてる中で、チョイスしていくことが大事だと思うので、そのひとつに数えていただけたらうれしいですね。歌舞伎のお客さんが増えればうれしいですけど、今回の作品は、これはこれとして楽しんでいただけるものを作りたい。それで、次は古典歌舞伎も観てみようかなと思っていただけたら、もっけの幸いっていう感じかな」

Q:蔵さんのファンへ一言。

「今までにない、ものすごいカッコイイ蔵さんが見られます。これを観なかったら蔵さんファンじゃないでしょ!」

【取材・文=ドルフィンコミュニケーション】

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