[はんつ流(8)]有名ラーメン店で修業を積んで独立!

東京ウォーカー

ここへ来て続々とラーメン店がニューオープンしている。素材にこだわる店、内装が個性的な店などさまざまだが、みな、真剣さは一緒だ。新店を立ち上げる人は独学タイプも見受けられるが、有名店で修業を積んで、独立する人も多い。だが、有名店出身といっても自分の店舗を持った時の方向性は人それぞれ。それを、注目の2軒を例にとって考察してみよう。

まずは修業先と味を変えて勝負するタイプ。大田区の東急池上線千鳥町駅至近に1月にオープンした“ラーメンみしま”。店主の江藤和智さんは神奈川の有名店“本丸亭”などの出身。修業先がすっきりさわやかな塩ラーメンがウリなのに対し、こちらは会津地鶏を用いた濃厚鶏白湯(のうこうとりぱいたん)ラーメンを前面に押し出している。「同じ味を出してもコピーになる。そこで、あえて個性を出すことで、ほかと差別化を図る」という意気込みが一杯のラーメンに表われている。

一方、修業先の教えを守り、師匠のアドバイスで味を構築するタイプもある。中央区のJR山手線神田駅に3月にオープンした“つけ麺もといし”。店主の野本将吾さんは東京の新進気鋭店“けいすけ”、特に本郷などの“初代けいすけ”と、本駒込の“四代目けいすけ”が長かったそうで、味は修業先そのままではないものの、粘度のある濃厚つけ汁や、存在感のある麺などにその片鱗がうかがえる。特につけ汁にペースト状にした豚耳などを用いたりと個性たっぷりなのは、師匠のアドバイスも大きいそう。

今年度もさまざまなラーメン店が続々オープン予定だ。勝ち組はどこなのか?ますますラーメンがヒートアップしている。【フードジャーナリスト・はんつ遠藤】

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