劇団→楽団に! 充電期間中の“鹿殺し”の新たな試みがスタート!

東京ウォーカー(全国版)

数多くの音楽劇を上演してきた劇団鹿殺しが“楽団”鹿殺しとして新作「喇叭(らっぱ)道中音栗毛」を開演。これまでの舞台で生演奏として楽隊(ブラスバンドチーム)であったメンバーをメインキャストに立たせた、鹿殺しの挑戦となる作品だ。

舞台は1970年の新宿駅東口にあるジャズ喫茶「マロングラッセ」。ここに集う、高度経済成長にも学生運動にも取り残されたフーテンたちが、あるきっかけで東海道を西へ、伊勢に向かう珍道中を描く。見どころを脚本・演出・出演をこなす丸尾丸一郎が語ってくれた。

「小劇場の距離感をふんだんに利用して、生楽器の音と演奏が物語にうまく入りこんだ作品です。ジャズ喫茶の設定で歌と物語が分断されずお芝居として組み込まれている音楽劇として仕上がりました。物語と音楽の融合を見てほしいですね」。

本作は客演としてミュージシャンの、教祖イコマノリユキと伊藤ヨタロウが出演。教祖イコマノリユキは劇団☆新感線/五右衛門ロックシリーズの常連キャストでもおなじみ、伊藤は松尾スズキや蜷川幸雄作品などで俳優、音楽監督としても参加している。頼もしい客演陣とともに、若手劇団員も奮闘。稽古場では丸尾の厳しい演技指導がの日々が続いたと言う。「若い子たちに、毎日ノドが枯れるまで怒鳴りつけてました(笑)。彼らにとっていい勉強になってくれれば」(丸尾)。

菜月チョビは留学中、オレノグラフィティと山岸門人は外部作品に客演のため、今回の作品はお休み。傳田うに、坂本けこ美ら若手役者たちが楽隊としてだけでなく、役者としての底力も思う存分発揮している。今作の東京公演はすみだパークスタジオにて4月6日(日)まで、関西公演はAI・HALLにて4月10日(木)~12日(土)まで。【東京ウォーカー】

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