小劇場出身のメンバーによるユニット・日本の30代(略して“ニッサン”と呼ぶらしい)。きっかけはある公演での共演だった。
「今回出会ったメンバーは、お互い以前から知っていたけど松尾スズキさんの『ふくすけ』(2012年夏)で初めて共演させてもらいました。小劇場の近いところで20代を過ごして、30代のこのタイミングの出会いがすごくよかった」と語るのは毛皮族の羽鳥名美子。記念すべき旗揚げ公演はなんとシェイクスピアの「十二夜」。よほど精通しているのかと思いきや…。
「私を始め、メンバー全員がシェイクスピアに初めて取り組むんです。ほんとです!(笑)。はえぎわ、大人計画、温泉きのこ、毛皮族とそれぞれのホームで30代を迎え、いままでやってこなかったことをやりたいと思い、全員一致でシェイクスピアを選びました。そして、演出に鵜山仁さん(文学座)をお迎えしました。稽古がはじまり最初はセリフのひらがなすらまともに読めない…みんな噛みまくってました(笑)。『シェイクスピアって芝居うまくないとできないんだなぁ!』と思いましたね。みんなそれぞれのゼロに還った気がします。改めて、“役”で舞台に立つことの意味を考えました」と感慨深い様子。また、役者全員が楽器を演奏し、音楽を担当するところも見どころのひとつ。「小劇場で育ってきた私たちが鵜山さんと出会い、いままで見たことのない『十二夜』を作ります。いい意味での“裏切り”をお見せできればいいですね」。公演は4月18日(金)~28日(月)まで、下北沢・駅前劇場にて。【東京ウォーカー】