特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」が、6月24日(火)から9月15日(月・祝)まで東京国立博物館で開催される。同博物院の至宝といわれる「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」や「人と熊」など186件が日本で初めて公開される。
大英博物館、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館と合わせて世界の四大博物館とも称されている台北 國立故宮博物院。東京国立博物館では、この50年間にわたって約100を数える大規模な特別展を開催してきたが、台北 故宮博物院の展覧会を開くのは今回が初めて。同院の展覧会はこれまでアメリカ、フランス、オーストリア、ドイツで開かれたのみ。今回の展覧会がアジアで初の開催となる。69万点を数えるそのコレクションの9割以上は、清朝宮廷の旧蔵品。そのほとんどが、中国歴代皇帝から選ばれたものだ。そんなひときわ優れた中国の文化財を収蔵している同院の収蔵品から、特に代表的な作品を厳選した展覧会となっている。
今回、特に注目されているのが、翠玉白菜。ヒスイ輝石から作られたハクサイの彫刻だ。1つのヒスイの色の違いを利用して、白い芯の部分と緑の葉の部分が巧みに彫り出されている。宝飾品用としては劣る色のヒスイをあえて利用して表現された白菜は、石から彫られたとは思えないほどのみずみずしさ。葉っぱには、キリギリスとイナゴも掘り込まれている。
他、玉材の白い部分にモンゴル風の服を着た人物を、黒い部分にクマを彫り分けた可愛らしい「人と熊」、350字の銘文をもつ皇帝コレクションの重宝「散氏盤」などの書、絵画も披露される。
10月7日(火)から11月30日(日)には九州国立博物館で展示品を変えて特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」が開催される。こちらの展覧会では同院のもうひとつの至宝「肉形石」が公開される。【Walkerplus】