絶賛公開中! 元ももクロの早見あかりが「百瀬、こっちを向いて。」で映画初主演!

関西ウォーカー

彼女がいる先輩のために、彼に思いを寄せる同級生と恋人を装うことになった少年・ノボルのせつない初恋を描く映画「百瀬、こっちを向いて。」。主人公を“嘘”で振り回す天真爛漫なヒロイン・百瀬を演じているのが、元ももいろクローバーの早見あかりだ。今回、映画初主演となった彼女に作品のことはもちろん、女優としての今後について話を聞いてみた。

─今回が映画初主演ということに対してのプレッシャーはありませんでしたか?

「百瀬を演じることについては“きちんと演じきることができるかな”という不安はありました。でも、主演だからといって私が座長として現場を引っ張っていく役割ではなくて、周りの共演者の方やスタッフさんに支えてもらいながら楽しんで百瀬を演じることができればいいなと思っていました。なので、主演することに対してのプレッシャーはなかったですね」

─物語を初めて読んだ時はどんな印象でしたか?

「ものすごく切ないストーリーだなと思いました。なんでこんなに登場人物たちみんなの気持ちがすれ違って、上手くいかないんだろうって(笑)。あとは百瀬の行動がよく理解できなかったですね。もし、好きな人にとって自分は二番手だとわかっているのに、彼を一番手の彼女から奪ってやろうとは考えないですし、もし自分が百瀬みたいに好きな人から“別の人と恋人同士を装って”とお願いされても“はい”とは答えられないなぁって思いました」

─では、百瀬にはあまり共感できなったのでしょうか?

「最初は男の子っぽくてサバサバしているところが私に似ているなと思ったんですが、クランクイン前に1か月間のリハーサルがあって、徐々に百瀬という女の子を掘り下げて役を作っていくうちに、ただ男の子っぽいだけでは片付けられない女の子だなって。家庭でのことや瞬に対する思いとか本当の自分を隠したいゆえに、ノボルへきつく当たってしまうんです。けっこう複雑な心を持った女の子だなと思って、リハーサルを重ねるうちに、最初に自分が思い描いていた百瀬像から変わっていきましたね。途中で戸惑うこともありましたが、徐々に自分に染み込んでいったという感じでした」

─撮影中、具体的にどういったところに戸惑いましたか?

「監督から“百瀬は寂しいとか、悲しい、怒っているという感情を表に出さない。でも、あかりん(早見の愛称)は悲しいシーンを悲しく見せたがる”と言われました。悲しいシーンだから悲しい表情でセリフを言うことがどうして悪いんだろうって思いましたが、百瀬はそういったことは自分の中でしまい込んでいるけれど、ノボルと一緒にいる時だけ気持ちがにじみ出てしまってバレてしまう。そういった曖昧なラインの演技が難しかったですね」

─百瀬を演じていくうちに、そういった曖昧な感じの百瀬を演じられるようになったのでしょうか?

「そうですね。やっぱりリハーサルに1か月間あったのは大きかったですね。監督に言われたことを台本に書いて、次に修正したお芝居をしたからといって、それがまた正解じゃなくなってしまうこともあって…。監督や、他のスタッフさんの意見を聞いて、みんなで役を作り上げていく感じだったので。頭で考えるだけでなく、ノボル役の竹内君をはじめとする共演者の方のおかげもあり、クランクインの時にはすんなりと役に入ることができました。1か月のリハーサル期間は、百瀬になるための準備期間でもあったし、現場のチームワークもその期間で出来上がったような気がします」

─百瀬と早見さんは同年代で、初主演映画でこういった役を演じることについてはどう感じましたか?

「高校卒業したばかりの頃に撮影をした作品で、その前まで学校に通っていたこで、長編映画への出演など時間の制限でできないお仕事もあったのが、卒業したら、時間の制限もなくなって、これまでやりたくでもできなかったことに挑戦してみたいと思っていて…そうしたら、こんなに早く映画のお仕事をもらえるとは思っていなかったので驚きました(笑)。共演者のみなさんやスタッフさんが言い方ばかりで毎日が楽しくて、この現場が私にとって本格的な演技のお仕事がこの作品でよかったなと大切な思い出になると思いました」

─この作品を終えて、ご自身のなかで変化はありましたか?

「女優というお仕事が楽しいな、好きだなって改めて思いました。昔はスクリーンやテレビに映っている人に対して“カッコいいな”という漠然とした憧れはあっただけで“絶対に女優になりたい”という強い気持ちを持っていたわけではないんです。スカウトをきっかけにこの世界に入ってお仕事をしていくうちに、楽しいなと思うようになっていったので、今こうやって19歳になって“女優としてもっと頑張っていきたい”と言っている自分の姿を想像できなかったですね(笑)。自分には理解できないようなキャラクターを演じることは難しいんですが、それが演技の楽しさ・おもしろみでもあるので、これからいろんな役に挑戦してみたいですね。誰が見ても“怖い”とか“嫌い”と思うような悪役を演じてみたい。たとえば『悪の教典』で伊藤英明さんが演じた主人公みたいなキャラクターとか…(笑)。伊藤さんはすばらしい人なのに、役を通してだんだんと“伊藤さんも本当に悪い人なんじゃないかな”って思えてくるんですよね。私もいつかは周りの人にそう思ってもらえるような演技ができるようになりたいですね。人間が持ついろんな感情を理解できるようになった時に、役者として認められるんだろうなと思います」

─では最後に、これから作品をご覧になられる方へメッセージをお願いします。

「30代、40代と年齢が上になればなるほど、甘くても苦くても初恋はいい思い出として残っていると思うんです。なので、映画を通して“懐かしいな”と思いながら観ていただけるとうれしいです」

【取材・文=リワークス】

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