知ってるようで知らない“カーシェアリング”の仕組み

東京ウォーカー

便利で安くてエコにもなると、ますます話題の「カーシェアリング」。山手線29駅周辺に、カーシェアリング拠点を設置するというニュースも記憶に新しい「オリックス自動車」では、ここ1年で会員数が2000人以上増えたというから、その人気は本物だ。

そもそも「カーシェアリング」とは、1台の自動車を多数で共同利用する会員制のしくみのこと。70年代、スイスの学生が「共同なら車を持てる!」と考えたのがきっかけと言われており、今や、アメリカでは約25万人、スイスでは約8万人が利用しているという、世界的なビジネスなのだ。

だが、意外と知られていないのがその仕組み。記者の周りでも、興味はあるけどどう使っていいのかという“入り口”からして分かっていない人が多いのだ。そこで今回は、カーシェアリングの仕組みを追ってみた。

まずはカーシェアリングサービスを行う会社に会員登録し、自分のICカードを発行してもらう。これが車のドアロック解除の鍵となるのだ。使いたいときには、ネットや電話で“時間と場所”を予約。そして当日、目的の拠点に行けば車があるので、ICカードで乗り込めばOKというもの。

料金体系はというと、携帯電話と似ていて、基本料金と、使った分だけの使用料を払うという。たとえば、オリックス自動車の場合、毎月2980円の基本料金を支払うAプランなら、15分160円で軽自動車の利用が可能だし、基本料金1050円のBプランの場合は、15分260円で乗れる。つまり、自分の利用頻度からプランを選ぶことで、マイカー感覚でおトクに車に乗れるシステムというわけ。この他、走行1kmあたり14円の距離料金がかかるが、ガソリン代は支払わなくてOKなのだ。

これなら1人暮らしでも気軽に始められそうだけど、気になるのは「使いたいときに使えるのか」ということ。使いたい時間に重なることはないの?

「現在オリックス自動車では、209ステーション、299台で展開しています。会員数は4350人。首都圏を中心にステーション(拠点)数も増え、また鉄道沿線にもどんどん配備していますので、より便利にお使いいただけるようになっています」というのは「オリックス自動車」の矢崎さん。「カーシェアリングは、子供の送り迎えや、休日の買い物など、日々のちょっとした“足代わり”に便利なんです。そのため、利用時間も15分単位にしているんですよ」

どうやら、24時間いつでも好きなときに予約・利用ができることも魅力のよう。また、レンタカーとのちゃんと“住み分け”があるようで、日常使いには「カーシェアリング」、旅行や長時間使う場合には「レンタカー」がオススメとのこと。

日本での普及はまだまだ始まったばかりだけど、“便利さ”や“安さ”はこの時代にぴったりの「カーシェアリング」。車を買うでも、借りるでもない“シェアする”という考え方が、これからの当たり前になりそうだ。 【東京ウォーカー/安藤真梨】

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