【その2】大人計画×劇団☆新感線が夢の競演! その真相をいのうえひでのり&古田新太に直撃した!

関西ウォーカー

※【その1】の続き

Q:松尾ワールドの好きなところはどこ? 

古田「根底に流れてるテーマが、“差別反対”なんですよね。あれだけ差別用語が飛び交うんですが、差別を反対している本が多い。今回も深く深く読めば、そう読み取れるものなんですけども、ただ表現方法としてものすごく乱暴で。それが、オイラは大好きですね。すぐ裸になるところとか(笑)。でもやっぱ、すぐウ○コとかチ○コとかって言う、いのうえさんも好きですよ(笑)。ま、同じふざけてても、高校生と小学生ぐらいの差があると思います(笑)」。

いのうえ「松尾さんの本は、なかなか表面的には出て来ないけど、キレイなセリフだったり、切なくなったりするところ。今回もあるんですよ。そこをどうやって打っていくか」

Q:楽しみなところは?

古田「オイラはお客さんの反応が楽しみですね」

いのうえ「あぁ~、そうねぇ。どうなんだろうなぁ」

古田「こっちは楽しませようと思って努力しますけども、お客さんが心配(笑)。オイラは中学生の本より、小学生の本か高校生の本の方が好きなんで。だから宮藤(官九郎)くんや(長塚)圭史くんに書いてもらったり、松尾さんの作品に出たりするわけで。まぁでも、エロティックだったり、フリークスだったりってことも、手段だから。子供が見ても大丈夫だと思いますよ、漫画だと思えば。少年ジャンプでもエロティックなのが載ってますからね」。

いのうえ「新感線を観てる人が、こういう世界もあるんだっておもしろがれるんだったら、それでいいんじゃないかと思いますけどね」

Q:一番期待するところは?

古田「この長い本を、いのうえさんが、どうカットするか(笑)。長いです(笑)」

いのうえ「(笑)いや、見せ場がね、いろいろあって。いや、松尾さんは松尾さんで、気ぃ使ってくれてると思うんですよ。大人の役者にも、新感線のいろんな人までわりと気を使ってそれなりのシーン書いてくれてるんで。それで、長くなってるなっていう感じ」

古田「3時間ぐらいあるからね」

いのうえ「できるだけわかりやすく、タイトにします。でも、切りにくい。実はあとにリンクしてるネタだったりするんで、難しい。でも、できるだけ3時間に近づけます」

古田「終結はします(笑)」

Q:古田さん、また脱ぎますか?

古田「脱ぐでしょうね、また。最近はパン一(パンツ一丁)が多いですが(笑)。でも、じゅんさんと皆川くんのテンション合戦とかも、すごいですよ」

いのうえ「ギャグとかテイスト違うけど、笑えますよ、本読んだら。で、切なさもある」

古田「人間の持ってる悲しさみたいなのは、絶対に松尾さんのテーマとしてあるんで。もう中身はドッカンドッカンしてる感じなんだけど、時々刺さる言葉みたいなのは挟んでくる」

いのうえ「やっぱり、ただのゲラゲラ、ドタバタではないですね、うん。だから『これ、松尾さんがやりゃあい~じゃん』ってことになりかねないんで、そこを頑張りたいなと思いますね」

Q:大人計画と新感線のファン、それぞれにメッセージをください。

古田「大人計画のファンの人は楽しめると思います。新感線ファンの人たちは、『松尾さんと、いのうえさんのコラボレーションだぁ』と、思ってください」。

いのうえ「微妙な言い方だね(笑)。ボクは今回、相当に松尾さんワールドだけど、松尾さんファンには、『あ、こういうやり方もあるんだ』と思っていただけるように頑張りたいし。新感線のファンの人たちには、松尾さんはこんなに深くてきれいなセリフ書くんだってことに気づいてもらいたいなっていうところがありますね」。

古田「2倍楽しめますね」

いのうえ「なかなかないですよ、こんな企画」

古田「ま、でも、内々は仲良いグループなんで、はい。楽屋はうるさいですよ(笑)」

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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