縁結びの神を祀ることで有名な埼玉県川越市の川越氷川神社で、今年から行われる新しい夏の祭事「『川越氷川神社 縁むすび風鈴』~天ノ川ノ、願イゴト~ 」。7/4(金)よりスタートした祭事に、さっそく足を運んでみた。
鳥居をくぐろうとすると、まず出迎えてくれるのは風にたなびく風鈴の数々。涼しげな音色の中をゆっくり歩いて行くと、境内へと出た。暖かくライトアップされた社殿と木に吊るされた竹毬が眼前に広がっており、中でも光り輝く色とりどりの風鈴がひと際目を引く。さらに進んでいくと、この祭事のシンボル「縁むすび風鈴回廊」に出会う。慎ましやかなその音に耳を傾けていると…時を忘れてしまいそうだ。
見渡す限りの風鈴…どうしてここまで風鈴に拘ったのだろうか?川越氷川神社の神主である佐倉聡氏によれば、「日本では、風の出現は『神の出現』だと思われてきました。自分が誰かのことを思うと、風が吹いてそれを運んでくれるのだと。とはいえ、風は目に見えません。だから日本人は、心を清めるとされている鈴を用い、『音』として神の存在を感じるために風鈴を作りました。風鈴は人間が鳴らすものではなく、風が鳴らしてくれるもの。信仰自体にもとても深い関わりがあります。というわけで、この祭事には『風鈴に願いを託した多くの方の思いが神様に届きますように』そんな気持ちが込められているのです」
願いを届ける風鈴は、888個あるという。それだけあれば実にたくさんの人の思いが神様に伝わりそうだが、なぜ888個なのだろうか?「世界中の宗教には、それぞれ『聖なる数字』が存在します。日本人にとっては『八』が聖なる数字だとされています。『八』という漢字を見てください。末広がりの文字なので、縁起がいいのです」
できるだけ多くの人々の良縁を願うためにスタートした「『川越氷川神社 縁むすび風鈴』~天ノ川ノ、願イゴト~ 」。「恋人だけでなく、友達や同僚など、すばらしい縁に巡り合うために是非いらっしゃってください」と神主の佐倉氏は笑顔で締めくくる。
風鈴の奏でる音に、あなたの思いを託してはいかがだろうか?【東京ウォーカー】