大きな頭に大きなくちばし、寝ぐせのような飾り羽、そしてアンバランスなほど細い脚。“キモカワイイ”鳥「ハシビロコウ」が人気を集めている。
レッサーパンダの風太くんがいることでも有名な千葉市動物公園では「実はずいぶん前からひそかに人気なんです。人気でいえば風太くんの方が上ですが、コアなファンが増えているという感じ」(同園管理課)と、熱心なファンがいることを明かした。
また、人気者だったパンダがいなくなった上野動物園では、このハシビロコウがパンダに代わる“ネクストアイドル”だという動物マニアも多いという。「3年前からファンが増えました。今まで“鳥類”は比較的マイナーな存在だったのですが、ハシビロコウの前では人だかりや記念撮影をする人など、確実にハートをつかんでいますね」(同園飼育担当者)。
このハシビロコウ、いったいなぜそこまで人気になっているのだろう?
ひとつはまずそのユーモラスな姿だ。一見怖そうに見える外見だが、かわいい丸い目や寝ぐせのような飾り羽、大きなくちばしにアンバランスな体型に、思わず微笑む人も多いとか。
そしてなんといっても、この鳥の魅力は“動かないこと”だという。
「基本的にほとんど動きません。それでも園のハシビロコウは活発な方と言われています。野生のものは一切動かないとか」(千葉市動物公園担当者)。
もともとは沼地のほとりで魚を捕えるためにじっとしているのだが、園内でも微動だにせず立ち続けている。その様子が来園者から「置物みたい」、「何を考えているか分らないところが気になる」と注目を集める理由の1つのよう。また、ネットでは動画や写真を公開するなど、動かないところに“侍”的な男らしさを感じる人も多いようだ。
「動かない鳥だと言われていますが、たまに動くときには頭を下げてフリフリと振ったり、くちばしをカタカタさせたりと仕草がユーモラス。イケてます」(上野動物園担当者)との話通り、実際に動くとどよめきや、シャッターをきる人がいたりとかなりの人気者。「朝や夕方は比較的よく動くので、ぜひ見に来てください」(千葉市動物公園担当者)との情報も得たので、その時間帯がおすすめ。ファンが増え続ける“キモカワイイ鳥”ハシビロコウが、動物園のニューアイドルになる日も遠くないかも。【東京ウォーカー】