1月末に会見を開催した父・松本幸四郎に続き、娘・松たか子も「ラ・マンチャの男」の2度目の会見に来阪。「大阪大好き」と言う彼女に、舞台と大阪への思いを聞いた。
−お父さんが主役で演出、お姉さんが演出助手、家族とやるって、どんな感じですか?
「特に意識することはないです。みんな当たり前のように受け止めていますね、カンパニーの一員として一生懸命やるしかないと。父と姉がいるという、なかなかないシチュエーションではありますが、いざ稽古場に入ったらかまっていられない、というのが正直なところです」
−アルドンサをどう演じますか?見どころは?
「私はどの役でも、これが最後だと思ってやっているんです。今、その時その時の自分でぶつかっていくしかない、と。アルドンサの見どころは、変化。人と人とが出会って変わっていく、その変化が激しい役で、やりがいもあり、お客様にも見守っていただきたいところですね」
−この舞台は松さんにとってどんな作品?
「小学校6年の時、祖母が危篤になったんですが、大阪公演の初日を兄と並んで観ました。その時、それまで見たことのない父の姿を見て、大きなショックを受けたんです。かっこいいヒーローであり、完璧な父親として見て来た父の姿が、ドン・キホーテに重なって見えました。何があっても舞台に立つという、こんな仕事を父はやっていたのだと。この時をきっかけに、私もこの道に進むのかなと、夢として描くようになりました。大阪は思い出深い土地ですね」
−大阪の好きなところは?
「街や人からパワーが伝ってくるところが好きで、元気をもらっています。ご飯もおいしいし、買い物も楽しい。東京でもできる買い物をこっちでするんです(笑)。ロフトもよく行きますよ。お店で必ず行くのは北新地の台湾鍋のお店と、道頓堀のおうどん屋さん。食べることが大好きなので、計画的にちゃんとしないと誘惑がいっぱいある(笑)。『メタルマクベス』に参加した時は濃かったですねぇ。劇団新感線の方たちは地元ですから、毎日、芝居の後に食べに行くスケジュールが組み込まれていて(笑)。食道楽の充実した日々でした(笑)」
【関西ウォーカー】