2014年10月10日(金)から2015年1月12日(月)までの期間、あべのハルカス美術館で「新印象派-光と色のドラマ」展が開催される。
オルセー美術館やメトロポリタン美術館など世界12か国、約60の美術館や個人コレクションから集められたモネ、スーラ、シニャックから、マティスなど約100点の多彩な作品が一堂に集結した大型の展覧会。新印象派の誕生前夜からフォーヴィスムまで、約20年の時間軸に沿って紹介される作品を通じ、歴史の流れを体感できることも魅力だ。
開催前日の10月9日(木)には、音声ガイドナビゲーターを務める元宝塚歌劇団・宙組トップスターの大空祐飛やあべのハルカス美術館館長によるテープカットが華やかに行われ、ハルカス300(展望台)のキャラクターである“あべのべあ”も応援に駆け付けた。
見どころは、新印象派の作品を時間軸に沿って紹介している点だ。新しい技法との出会いや画家たちの交流、若すぎる死を遂げたスーラを囲む画家たちの葛藤など、光と色をめぐる画家たちのドラマを、入口すぐの作品から順に会場を進んでいくごとに歴史の流れを追って展示している。
後に新印象派と呼ばれる画家たちに大きな影響を与えたモネの作品に始まり、最新の光学や色彩理論に基づき作品を描いたスーラやシニャック、そして原色を用いる強烈な色彩や大胆なタッチで「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれるマティスやドランまで、まるで新印象派の運動に参加しているように、歴史を体感することができる。これらの作品はひと口に点描といっても決して画一的ではなく、描いた時代や場所、画家の心理によって個性溢れる作品になっているので、1点1点近づいてじっくり鑑賞したい。近づくと新印象派の特徴である、正反対の色を組み合わせ不思議な視覚効果をもたらした表現方法など光と色の秘密に迫れる。
大空祐飛による音声ガイドでは、画家たちが会話をしているかのようなドラマ仕立てで作品や時代背景を紹介しているものもあり、画家の考えや歴史を知ったうえで作品を鑑賞すると、さらに興味が湧くはずだ。新印象派の全貌をパノラマのように見渡すことができる展覧会、この機会にぜひ足を運んで体験したい。【関西ウォーカー】