本日10/18公開! 映画「まほろ駅前狂騒曲」に出演の瑛太×松田龍平にインタビュー

関西ウォーカー

映画やドラマで好評を博す「まほろ~」シリーズの第3弾「まほろ駅前狂騒曲」。東京にある架空の街・まほろ市を舞台に、どんな依頼も引き受ける“便利屋”の多田啓介と、彼の同級生で居候3年目の行天(ぎょうてん)春彦が、ある依頼を引き受けたことをきっかけに、大事件に巻き込まれていく様子を描く。過去2作に引き続き、多田と行天を演じた瑛太と松田龍平に作品への想いを聞いた。

―物語は共にバツイチで、過去に子供を亡くした多田と、両親に愛されずに育った行天のもとに、子供を預かってほしいとの依頼が舞い込むところから始まります。

瑛太「過去の出来事から子供に対するトラウマを抱えている2人が、そのトラウマに向き合わざるを得ない依頼を、多田は行天に無断で引き受けてしまうんです。でもこの依頼をきっかけに、2人が過去を乗り越えるために、照れくささを感じながらも、少しずつ向き合うようになっていくところが魅力じゃないかと思います」

松田「行天が、子供をたたいてしかる親を、注意するシーンがあるんですが、その親の行為が正しいか、間違っているのかを判断するのは、人それぞれだと思うんです。その曖昧な考え方の違いってすごく大事なポイントの1つだと思いますね。あと今回は、テレビドラマ版(監督:大根仁)を経て、大森監督が前作の映画とは少し撮りを変えていると思いました。本作のストーリーは人間の曖昧な部分を映しているので、暗くならないように、ドラマのようにポップに見やすく撮ろうと思ったんじゃないかなっと感じました」

―映画「青い春」(02)で共演して以来、プライベートでも仲がいいそうですが、仲がいいからこそ演じる際に意識したことはありますか?

瑛太「お互い普通の共演者という感じでもいられるし、10年以上の付き合いだからこそ、何となく相手のその日の気分とか分かるんですよ。なので、お互い気を張ることも無く、楽に演じられたと思います」

松田「性格的に俺も、瑛太も馴れ合わないタイプなので、あまり友達ってことを意識せずにやれていると思います。それが多田と行天の微妙な距離感に繋がっている部分もあるのかなって」

―ドラマでサラリーマン・北村を演じ、本作ではヤクザ・飯島を演じた新井浩文さんや、多田と恋仲になる柏木役の真木よう子さん、映画1作目で行天の元妻を演じた本上まなみさんが再登場など、魅力的なキャストが勢ぞろいです。撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

松田「今回もまほろ市のモデルとなった東京・町田市で撮影しましたが、多田と行天が再会するバス停のシーンを撮った時は“映画1作目もここから始まったんだな”と懐かしくなりました。あと本上さんとは、1作目に続いて今回もほとんど共演シーンが無くて残念でした。元奥さんなのに(笑)」

瑛太「龍平と撮影のない日に『新井くんの撮影現場を観に行こうか』って話してたんです。それを新井くんが噂で聞いたみたいで、その日は撮影中ずっとドキドキしてたらしいです。結局、俺らは行かなかったんですけど(笑)」

松田「そうだったね(笑)」

―お気に入りのシーンはありますか?

瑛太「たくさんありますけど、映画1作目では行天が学校の担任に成り済ますシーンがあったんですけど、本作では行天が依頼人の小学生を救うために、塾の先生に成り済まして、怪しげな団体に潜入するところが好きです。つかみ所のない行天らしさがさらに増してていいですね(笑)。あの感じは日本では龍平にしか出せないと思います」

―ついつい依頼人の人生にまで首を突っ込んでしまう多田と行天ですが、この2人にとって人助けとは、どういうものだと思いますか?

瑛太「多田にとっては、仕事の一環でしかないと思います。その場の勢いなのか、踏み込まなくてもいいところまで、踏み込んでしまうんです。便利屋を営む彼としては、依頼をまっとうするために、人助けをやっているんじゃないかなと思います」

松田「行天は別に誰かを助けようとは思っていなくて“なんかおもしろそう”だから食いついているような気がします。そういう意味では行天も多田も正義の味方になろうなんて思っていないんじゃないかな。正義の味方が存在したら、子供に対するトラウマは抱えてないだろうって思ってます」

―本作を終えてお2人の中で何か変化はありましたか?

瑛太「映画1作目では、多田の表情や行動を、頭で考えながら演じていたんですが、シリーズを通して、少しずつ回数を重ねることによって、自然に演じられるようになりましたね。自分の中で捉え方が広がってきたので、本作ではいろんな側面を見せられていると思います」

松田「もっと多田と行天の過去に、視点を当ててやりたいと思っていたので、今回実現してよかったです。映画1作目では、初めて演じるキャラクターだったので恐る恐る演じてたんですけど、今回は同じことをやっても、つまらない気がしたので、何ができるのか、すごく考えましたね。行天の何もかもが上手くいっていない感じが出ていると思います」

【取材・文=リワークス】

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