商業演劇から小劇場舞台まで幅広く活躍中の女優・松本紀保が、初めてプロデュースする舞台「海と日傘」が11月21日(金)からスタート。2013年の劇団チョコレートケーキ「治天ノ君」での第21回読売演劇大賞優秀女優賞受賞など、勢いづいている松本が、今回出演だけでなく、プロデューサーとしても奮闘している。初のプロデュース公演に至るまでのきっかけは何だったのだろう?
「五年ほど前に戯曲を読んでみようと思い、検索していてタイトルがとても気になって取り寄せたのがきっかけです。そのとき『いつかやりたい!』と考えていましたが、自身のプロデュース公演でとは全く考えていませんでした。ただこの数年まわりで同年代の方々のプロデュース公演が多くなってきたこと、周りからも背中を押され、自分自身もやるぞ!と決意しました」と数年前から企画としてはあたためていたようだ。実際に取り掛かってみて初めてわかることもある。
「いやあ~、本当にいろんなことが積み重なっているんだなと痛感しました。劇場決め、役者の出演交渉、上演許可などなど。そしてチラシ作成。夏は(当時出演していた別の)公演の稽古のあと、夜中にデザイナーさんと会ってやりとりをしてました。だからこそというのもなんですが、とても素敵なチラシができたと思っています! とにかく初めてのことばかりで、パンパンになったりしましたが、それ以上に楽しくて。芝居づくりとはこういうことなのだと改めて思いました」。
松本ならではの丁寧な出演交渉の結果、扉座の伴美奈子、椿組の外波山文明、元劇団M.O.P.の永滝元太郎ら実力派役者陣が並ぶ。松本が一目ぼれした本作品の“研ぎ澄まされた言葉の美しさ”を劇場で体感してほしい。【東京ウォーカー】