【その2】1/19(月)に主演ドラマが放映&2/5(木)~、舞台「真田十勇士」が再演! 15年の上川隆也に注目

関西ウォーカー

※【その1】の続き

Q:活動量が多いですが、体力は大丈夫ですか? 舞台は斜めにうねってるし。

上川:(笑笑笑)。いやいや、それはそれで悲鳴をあげてる部分がないわけじゃないですけどね。危険だとわかってても、丸太にまたがる祭りに男たちが群がるように、やっぱりそこには、あるエネルギーがあって、わかっててもやっぱり体は動くし、立ち回るんですよ。

えも言われぬ昂揚感と、その時、間違いなく物語の中でしかないにせよ感じている、それこそ義ですとか、使命感みたいなものに駆られて、よくよく考えればもう中年真っ盛りの身体を、それでも動かして見せようと思ってしまう何かが、この舞台にはあるんだと思います。

Q:終演後、疲れません?

上川:疲れますよ!(笑笑)。それは人ですからね(笑)。それでも次の日も舞台に乗ろうと思えるのも、やはりこの舞台の魔力、というところもあるでしょうね。

Q:今回、早くも再演ですね。

上川:再演は自分にとって意外なものではないんですけど、プロデュース公演でこれだけの方々がお出になってて、しかもこの短期間。物理的に3人しかキャストが変わらず、もう一度再演できるってことは、まぁ、あり得ないですよね。演劇をやってらっしゃった方ならどなたでも驚かれるというか、かなり奇跡に近い再演だと思います。

Q:再演への立ち向かい方は?

上川:基本的にというか…ボクは、2013年の初演はボクら座組みにとっての大事な財産だと思うんですね。なので、もちろんそれを踏まえた上ですが、伺ったところによると今回、中島さんがさらに加筆修正を加えていらっしゃるそうで、同じようには向き合えない脚本がそこに用意されていると。大きく改変されているわけではないにせよ、ところどころ、さらによりよく、中島さんが手を加えてくださったその本があるならば、また新たに新鮮な気持ちで臨めるでしょうし、そうしたいと思っています。

なので、まったくもって何もない状態から向かうわけではない、ある種の豊かさを持って新鮮に臨める舞台になっていけたらな、と。で、さらに2013年より、より楽しくおもしろく、よりドライブ感あふれる舞台に、みなでなれたらいいなと思いますね。

Q:どこを見てほしいですか? 再度ご覧になる方もいるかと。

上川:少なくとも、あの時の熱量だけは大事にしたい。あの温度をもう一度舞台の上に乗せられるようにしたいと思っています。例えば加筆されていることで、ちょっと違って感じてしまわれる方もいるでしょうけど、あぁでも、あの時もそうだった、っていうふうなことを熱をもって伝えたいというか…。それがあれば、また新しく2015年の「真田十勇士」が作れるんじゃないかなと思っています。

Q:お客さんも一緒に走ってもらいましょうか(笑)。

上川:(笑)走っていただきたいですし、多分、走ってくださってたんじゃないかなと思います。あとで聞いた話ですけど、前回は5万人の方がご覧下さったと。これ、なかなかの数字なんですよね。なかなかって言うのも、ちょっと控えめな表現かもしれませんて思うぐらい、それだけの方々に来ていただけた舞台。だからこそ、一緒に走っていただけるような熱量で臨みたい。お客様にも、気持ちでついて来ていただければうれしいですね。

Q:ラスト近く、大きな月をバックに中島みゆきさんの歌「月はそこにいる」が流れるシーンがすごく印象的です。舞台上ではいかがですか?

上川:先ほど、終わったら体キツくない?って、おっしゃいましたけど、あの時点でもう相当キツいんですよ(笑)。高低差のある舞台で、鎧(よろい)も着込んで、何人もと立ち回って。でも、中島さんの歌が聞こえてくると、また、こう、なんか背筋が伸びるというか…。幸村の心情と、歌が実に巧妙にマッチさせられていて。あの時、幸村はもう背水の陣で、前に行くしかない。その一歩一歩が、ひとつひとつの音となって響いてくるというか。ボクにとってはすごい後ろ盾ですよね。まさにそう、応援歌です。

Q:この作品からスタートの2015年、抱負は?

上川:年間1本は舞台を、と、いつも考えておりますので、2015年も舞台が務められたら。そのあとはドラマを、お声掛けいただいた形で務めていければなぁと思っています。でも、2015年、ボク50になるんです。50歳になる年にこの舞台ができるっていうのは、ひとつのはずみになるかなぁと思いますね。

※【その3】に続く

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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