スターバックスが送り出す、ワンランク上のコーヒー体験ができるサブブランド「スターバックス リザーブ」。
現在、1000店を超える国内店舗の中でも、厳選された53店(2015年1月現在)でのみ取り扱っている、希少性が高いプレミアムコーヒーである。
3月4日(水)には、「サンドライドエチオピアコンガ」「スマトラピーベリーレイクトバ」「コロンビアモンテボ二ート」の3種類の新商品が登場した。
発売を控えた3月1日(日)、アメリカ・シアトルにある同社本部から“スタバのキーマン”コーヒーエキスパート、D・メジャー・コーヘンさんが来日。
「スターバックス リザーブ」を取り扱う西日本エリア23店舗のパートナー(スターバックスのスタッフ)が集まり、メジャーさんによる新商品のテイスティング講習会が開催された。
講師として参加したメジャーさんからは、スターバックスの理念であるコーヒーの“倫理的な調達”について、パートナーに改めて共有された。
農園から適正価格で豆を買い取ることで、生産者の安定した生活を支援。それが高品質なコーヒーを長期にわたって提供できる秘訣だと語る。
そんなメジャーさんに、日本の印象や、注目を浴びる新たなブーム“サードウェーブコーヒー”などについて聞いた。
実は、スターバックスと日本の関係は深い。1996年に海外初出店したのが東京・銀座なのである。2016年は、海外進出20年目という節目を迎える。
「当時、私はバリスタでしたが、最初に展開した国際的なマーケットが日本であることに誇りを感じました。そして、日本でのスターバックスの成長の可能性を感じました。“スターバックス エクスぺリエンス(感動体験)”が遠くにも確実に広がっていくことを実感したのです」
アメリカ、カナダに続く店舗数を誇る日本で、スターバックスが支持される理由については、「これだけの商品を、エクスぺリエンスとして提供できる店が他にはないこと。しかも、人々がつながりを持てるような素晴らしく美しい環境がある。それが我々の強みであり、支持される要因だと思います」と語る。
アメリカ西海岸でブームになっている“サードウェーブコーヒー”。その旗手、ブルーボトルコーヒーが海外初出店に選んだ地も日本だ。2月6日の1号店オープンから、約1カ月が経ったが、予想通り好調なスタートを切ったといえる。
「他社との競合は、これまでもありました。おいしいコーヒーに対するこだわりや考え方を持つことは素晴らしいと思います。質の高いコーヒーを提供する企業が増えることは、農園や工場など、コーヒー加工者たちにも大きな利益をもたらします」
さらに「コーヒー産業が活性化されることは、消費者にとっても良いことなので、私たちも他社に対して敬意を払いたいと思っています」と笑顔で語り、日本で“サードウェーブコーヒー”が浸透していくことを歓迎しているようだった。
「私のように、スターバックスのコーヒーについて情熱を持っているパートナーは何千人と存在します。“スターバックスだからこそできるサービス”にも誇りを持っています」とスターバックスへの自信も垣間見せる。
最後にコーヒーが持つ可能性について質問をぶつけてみると、「我々は1971年の創業当時から素晴らしいコーヒーを発見してきました。これからも新しい味が生まれるはずです。一番の楽しみは、今後、何が起きるのかということ。人々が学びを続ければ、可能性はまだまだ広げられると信じています」と情熱的な言葉で締めくくった。
“サードウェーブコーヒー”だけではなく、1杯1杯のコーヒーにとことんこだわったコーヒーショップが東京を中心に急増している。どのような可能性が生まれるのか?2015年もコーヒー業界から目が離せそうにない。【東京ウォーカー】
■D・メジャー・コーヘン(スターバックスコーヒー シニア・プロジェクト・マネージャー)
高校教師、プロ写真家を経て、1995年にバリスタとして入社。入社後8年で地域を統括するディストリクト・マネージャーに昇進し、社内で数々の賞を受賞。現職では、新規プログラムやプロセスの開発・実施を管理。コーヒーや紅茶の専門知識を伝授するプログラムを運営。