芸人として一世を風靡し、今や“パラパラ漫画家”として大ブレイク中の鉄拳。そんな彼が、独特なメイクや芸風などは「僕の挫折の集大成です」と語った。
代表作である「振り子」の実写映画化でも話題になっている。初めて自らの作品が映画として形になったのを見た時は「ああ、僕のパラパラ漫画が実写映画になってる!」と感動し、号泣してしまったと語る。
芸人からパラパラ漫画家へ、異例の転身となった鉄拳だが「元々、漫画家志望だったんです。高校生の頃には漫画賞に応募して“期待賞”をもらったこともあるんですよ」と、その実力は折り紙つきだ。
だが自信満々で描いた次の作品は「編集者さんにボロクソに言われて…。漫画家は諦めました」と、順風満帆とはいかなかったようだ。
漫画家の次に彼が目指したのは意外な職業。「プロレスラーになりたいと思って研修生になったんですけど、そこもすぐに脱退して…。それならと俳優を目指すんですが、滑舌が悪くて俳優も断念しました」と、挫折の歴史を明かしてくれた。
その後に生まれたのが芸人としてのスタイル。「いくつもの夢で挫折した末に芸人になろうとして “鉄拳”というキャラを生み出しました。スケッチブックに描いた絵を、レスラーみたいな格好をして、滑舌悪く解説する。それまでの挫折を全部集めたものが“鉄拳”なんです」。
まさに、これまでの挫折の集大成が芸人“鉄拳”を生み出したのだ。
「僕はいろんな挫折を経験したけど、良いことも悪いことも全部ひっくるめて、無駄なことなんて一つも無いんですよね」と、いくつもの苦い経験をしてきた彼ならではの人生観で締めくくった。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】
■鉄拳
1972年生まれ。1997年にお笑い芸人としての活動を開始。2012年に制作したパラパラ漫画「振り子」がYouTubeを通じて全世界で注目を集める。実写映画化された「振り子~furiko~」が現在公開中。また作家の水野敬也との共作「あなたの物語」(文響社)も発売中。
※記事の内容は「週刊ジョージア 特別号」から一部抜粋、再構成したものです