食べるだけで痛風リスクを軽減!?夢の乳酸菌とは?

東京ウォーカー(全国版)

ビールが一層おいしく感じられる夏は、痛風発症が増える季節でもある。そんな中、ヨーグルトから摂れる乳酸菌がリスクを下げてくれるという情報が!そこで記者が、2人の“痛風スペシャリスト”によるセミナーに潜入。日本痛風・核酸代謝学会の理事も務める山中寿教授と金子希代子教授の2人が伝授する痛風発症リスクを下げる方法とは?

痛風は血中の尿酸が増えることによって起こる病気。尿酸のもととして知られるのが、食事による摂取や無酸素運動によってできる「プリン体」だ。

「そもそも『プリン体=悪いもの』ではなく、遺伝子の構成成分やエネルギー源にもなるため生命に不可欠な物質です。プリン体は体内で代謝され尿酸になります。その尿酸の体内に留まる量が規定値をオーバーすると高尿酸血症となり、痛風を発症するリスクが高まります。作られる量と排泄量のバランスを保つことが大切」と山中教授。

「一度自分の尿酸値を計ってみてほしい」とも話す。理想の尿酸値は血液100mlあたり7mg以下(7mg/dl)。このバランスが崩れるとうまく排泄されず、痛風を起こしてしまう。

「プリン体といえばビールやレバーなどをイメージする方が多いですが、実は食品の旨味成分でもあるため、大抵の“おいしもの”にはプリン体が含まれています」と山中教授は力説。もはや生活するうえでは避けられないのだ。また金子教授は「適正体重を保ち、1日のプリン体摂取量を400mg程度にするのが理想。ビールなら1日500mlを目安に、週2日ほど禁酒日も設けるとよいでしょう」と話す。「3階くらいまでは階段を使う、駅までの道を早歩きで歩くなど、日常に有酸素運動を取り入れるのもよいですね」とのこと。

それでも夏は誘惑が多いのも事実。実際、山中教授によれば「尿酸値を下げる食品はほぼありません。制限がストレスになり、続かない人が多いのも現実」だそう。しかし最近、プリン体に働きかける物質が発見されたという。

「プリン体に直接作用し、体内への吸収を抑制することが期待される『乳酸菌PA-3株』という乳酸菌が発見されました。リスク軽減の新たな可能性として、いま注目を集めています」と山中教授。

「乳酸菌PA-3株」で発見された驚くべき働きについては「プリン体を体内に吸収されにくい形に分解し、乳酸菌自身の中に取り込む作用を持ちます。また自身が増殖するための栄養源としてプリン体を使ってしまうのが特徴です」と金子教授も続ける。ヨーグルトで手軽に摂取できるため、生活に取り入れやすいのもうれしい。

「尿酸値の高い高尿酸血症の患者さんにこの『乳酸菌PA-3株』を含むヨーグルトを8週間食べてもらったところ、食べていない人に比べて尿酸値の上昇を抑えてくれる結果が出ました」という山中教授の説明通り、その効果も実証済みだ。

今回、新たな痛風予防として紹介された「乳酸菌PA-3株」はヨーグルトから手軽に摂取できるので、生活が不規則で不安な人はぜひ取り入れてみてほしい。おいしく痛風予防をしながら、夏を満喫しよう!【東京ウォーカー】

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