若手俳優・高杉真宙は、11月19日(水)に東京・Zeppブルーシアター六本木でスタートする「TRUMP」で舞台初主演を果たす。7月13日(月)、その「TRUMP」に出演する全キャストが発表された。
同作は、大阪を拠点に活動する劇団、ピースピットの演出家である末満健一氏による作品。小劇場時代から繰り返し上演されてきた人気作で、2013年に俳優集団のD-BOYSにより上演された演劇ユニット公演・Dステ版では、実に1万5000人を動員した。
学園を舞台に、不死を失った吸血種・ヴァンプの少年たちが、永遠の命を持つトランプという原初の吸血種の不死伝説に翻弄されていく姿を描く。
繭期(人間でいう「思春期」)を迎えたヴァンプたちを教育(矯正)するために、ギムナジウム(クラン)が設けられた。人間とヴァンプの混血・ダンピールであるソフィは優秀だが、「汚らわしき者」として周囲から嫌悪されていた。完全階級社会であるヴァンプ界にあって指折りの名家の生まれであるウルは、忌むべき存在であるソフィに心惹かれていく。
「TRUMP」は、物語の中で相対する2つのキャラクターを2人の俳優が交互に演じる独自のキャスティングシステムが特徴で、本公演も「TRUTH」バージョンと「REVERSE」バージョンで上演される。
今回、主演の高杉と相対するキャラクターを演じるのは、早乙女友貴。実は2人は同じ歳で、2012年の舞台「里見八犬伝」で共演しており、縁のある組み合わせとなった。
高杉は相対するキャラクターの役者が早乙女と決まったことを受け、「もう一人のソフィ・ウルに早乙女友貴くんが決定し、とても嬉しく思っています。そして、もっと気合いを入れて頑張らないといけないな、と今まで以上に思っています」と気持ちを新たにした。
また、「友貴くんとは、以前『里見八犬伝』初演時にご一緒しました。友貴くんはその時、犬江親兵衛役で、僕は犬田小文吾の弟・房八役。親兵衛を演じる早乙女さんは本当に格好良く、僕と同じ年で当時16歳なのに、八犬士の一人として舞台に立つ友貴くんに憧れの気持ちと悔しい気持ちがありました」と回想。
さらに、「その時も『自分ももっと頑張らないといけない』という向上心に繋がりました。その後『八犬伝』の再演時、僕は友貴くんと同じ親兵衛役をやらせて頂いたんです。でも、初演で見た友貴くんが本当にすごくて、自分の中の評価では、自分はやっぱりまだまだなんです。そんな中、今回の舞台でご一緒できるのは本当に嬉しいです。お互い同じ役ができることで学ぶことも多いと思いますし、いろいろな挑戦もできると思います。また、自分がどのくらい成長できるのかを試すチャンスにもなると思います。しっかり自分なりのソフィとウルを演じ、友貴くんに負けないように、勝てるように、頑張りたいです!」と気合を見せた。
一方、早乙女は「真宙くんとは『里見八犬伝』という舞台で一緒になり、同じ年の子と話す機会が僕にはそれまでなく、年上の人と話してばっかりだったので、どう話していいのか分からなくて、あんまり話す機会がないまま公演が終わってしまった思い出があります」と振り返る。
それでも、「今回、『TRUMP』でまたご一緒できると聞いて、かつ、同じ役を交互にやると聞いて、作品のことや、役についてどう思ってやっているかなど、話したいですね。今回、同じ役をやるということもあるのですが、僕はそうじゃなくてもすべてさらけ出して、役として感じること、思ったこと、眼で見て感じたことを話したいタイプなんで、面倒くさい人だと思われないように(笑)、話しながら、いい作品にできればいいなと思っています」と期待感をにじませた。
最後に「今回は2役をやらせてもらえるとのことで、今まで以上に気合を入れていきます。台詞の量も多く殺陣もあり、異なる2人の人物を演じるので、大変だと思いますが、それ以上に楽しく、座組みのみんなでいい作品を作れるよう、高杉君と僕、2人で、全力で舞台に魂ぶつけに行きます。頑張ります」と、負けじと気合を見せた。
早乙女のほか、山本匠馬、武田航平、陳内将、大塚宣幸、久保田創、森下亮の出演も発表された。 【東京ウォーカー】