北千住で江戸時代から続く老舗ほねつぎ

東京ウォーカー

「ほねつぎといえば名倉」と、江戸時代から名医として知られる老舗ほねつぎ「名倉医院」。1770年代に開業して以来、家業としていまもなお、この地で整形外科医院を営んでいる。

240年以上続くほねつぎ処は武家屋敷を思わせる佇まい


徳川家の鷹狩時の休息所にも


当時、その技術は関東一円に広がり、日光街道や奥州街道から、戸板や籠、ウマなどで運ばれてきた患者でひしめいていた。

医院内には歴史のある箇所を多数残し、江戸時代に火事に備えて貯めたと言われている貯水桶や、多い時は1日700人の診療をした旧診療所などが、当時のまま保存されている。

特に長屋門は、徳川家の鷹狩時の休息所となった際に建て替えられたもの。重厚な門構えからは格式の高さがうかがえる。これらの建物は1984年に足立区の文化財として登録記念物に正式登録された。

現在、診療に当たるのは8代目院長の名倉直孝さん。「長屋門をくぐったところの診療所で、いらした方のけがや体の不調を治療しています。業祖から240年以上経った今も、ほねつぎの原理は変わらないですね。診療所も建造物も守り続けていきます」。

江戸の風情を伝える足立区の史跡「名倉医院」。その姿をひと目見ようと学生や一般見学者、史跡研究者などの訪問があとを経たない。【東京ウォーカー】

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