再開発中の渋谷駅周辺をひと足お先に見学してきました!
渋谷区Walker編集長の小宮山雄飛です。
今回は、再開発真っ只中の渋谷駅周辺の解体工事現場を特別に見せてもらってきました。この再開発工事がどのくらいすごいことかというと「100年に一度」の再開発と言われているわけです。
オリンピックだって4年に一度ですよ!たった4年に一度の大会エンブレムだけでもあんだけ大騒ぎしたわけですから、100年に一度がどのくらいすごいのか、お分かり頂けますでしょうか(むしろ分かりづらいですね・・)。
建物が出来上がってみたらベルギーの映画館に形が似てる!なんてことになると、また作り直しになりかねないので気をつけていただきたいです。
なんと「日本一難しい解体工事」なのだ!
さて、今回の工事が「日本一難しい解体工事」と呼ばれている理由は“3路線”(山手線・埼京線・銀座線)、“2通路”(ハチ公広場から東口を結ぶ通路・JRからヒカリエを結ぶ通路)、“1河川”(渋谷川)の全ての流れを止めずに解体を行わないといけないという点。
「そこに事故0を加えて3・2・1・0と考えてます」と所長の永持さんは笑顔で語ってくれましたが、電車の運行時間の兼ね合いなど、全ての流れを止めずに行う工事は、スケジューリングだけでも相当大変なようです。「駅自体も変わりますから、埼京線のホームが今の山手線のほうに移動してきて山手線と並列になって、銀座線のホームは今よりヒカリエ側に移動します」って、簡単に言ってますが普通ホームは固定で電車が移動してくるものですからね、ホームの方が移動って時点ですごいでしょ(笑)
それにしても日々利用して親しんできた渋谷駅の周りが解体されていく姿を実際に現場で見ると、感慨深いものがあります。取材に向かう途中、JR高架下の路麺の老舗KAWAKEIを覗いたら、こちらも再開発に伴い7月に閉店、まだ解体されてないお店の壁には長年のお客さんから「ありがとう」「お疲れ様」などメッセージが沢山書かれていました、う〜んちょっと感動。ちなみにKAWAKEIの川村さんは小学校の2つ上の先輩。元気かな?などなど個人的な思い出も沢山。
通勤通学で渋谷駅を利用してる皆さんも、ぜひともこれからの変化を日々見届けていただきたい。
これからの渋谷は若者の可能性が広がる街に
さらに場所をヒカリエ11階のTHE THEATRE TABLEに移動して、東急電鉄 都市創造本部 課長補佐の樺さんに再開発プロジェクトについて詳しくお話を聞くことに。
それにしても解体工事現場からヒカリエにやってくると「あの場所も数年後にはこんなビルになってるんだな」と、<使用前〜使用後>を見ているようでちょっと不思議です。
雄飛「この再開発プロジェクトで実際あといくつのビルが建つんですか?」
樺 「どこまでを一つのビルと捉えるかによって違うのですが、4つのエリアの再開発で、棟塔という意味では8つ新たに建ちます」
雄飛「うわ、ヒカリエ1つ建っただけでもすごいと思ったけど、まだまだ序章だったんですね 」
樺 「再開発事業が完了するのは2027年予定ですが、オリンピックまでには大体は出来上がる予定です」
雄飛「一言で表すと渋谷がどういう街になるイメージですかね?」
樺 「一言で言うならエンタメの街というイメージです」
雄飛「じゃあ、まさに僕の街じゃないですか!大使になってよかった(笑)」
樺 「(笑)エンタメといっても、いわゆるライブやショーとかだけではなく、住民の生活もそうですし、オフィスを構える企業さんもそうですが、様々な人が集まり渋谷という街から新たな文化が生まれて、さらに色んな人達が来たくなる・働きたくなる・住みたくなるような街づくりという感じですね」
雄飛「確かに渋谷の魅力って良い意味での雑多ですよね。丸の内のようなオフィス街とか、世田谷みたいな住宅街とか、そういう1つのイメージではなく、いろいろな要素が混ざることで新たな文化が生まれるのが面白い」
樺 「まさにその通りです。地形的にも渋谷という谷を中心に、そこを囲むような形で周りに原宿や代官山などクリエイティブなエリアが広がってますよね」
雄飛「そうですね、渋谷は1つの街で終わるのではなく、その周りに文化が派生していくのも魅力の一つ。渋谷と原宿を結ぶ形でお洒落なキャットストリートができたり、最近は渋谷2丁目エリアなんかも飲食ではすごく盛り上がってたり、中心部からドーナツ状にどんどん新たな文化が生まれていくのが面白い」
樺 「まさにその中心を担うのが渋谷ですね」
雄飛「でも新たに高層ビルが建っても、すでに成功してる企業などしっかり出来上がったテナントばかりが入って、若者や新たなクリエイターが参入しづらくなるんじゃないかっていう懸念もありますけど、そこら辺はどうですか?」
樺 「今までの渋谷駅周辺って床(面積)が全然足りなかったんですよ、そこを高層化することで床面積自体が増えるので、むしろ新しいクリエイターの人達が参入しやすくなると考えてます」
雄飛「なるほど!むしろ若者の可能性が広がるんだ」
樺 「そう、チャンスは広がります!これからを作っていく人を大事にしようと考えています」
雄飛「せっかく街が新しくなっても、いわゆる大企業ばかりのどこも同じような商業都市になったらつまらないですからね」
樺 「そうですね、消費して終わりじゃなく、新しいクリエイターの人が面白いものを生んで、そこを目指してまた次の人達が集まってきて、そうやって作り続けることで街がどんどん育っていく。裏原とかもそうだったと思うんです。でも今まではソフトがどんどん生まれても床が全然なかったんですよ、今回はハード(建物)も同時に作っていくことで、今までだったら受け止めきれなかったものまで受けれるようになります」
雄飛「いくら商業施設が繁盛しても、長い目で見たらその次の文化・人材がちゃんと育っていかないとね」
樺 「はい、チャレンジする人たちの床を確保するのも大切な仕事だと思ってます」
雄飛「床の確保ってなんかいいですね、畳職人みたいで(笑)いつまでたっても渋谷が新しい文化を生み続ける街であるよう、素敵な街づくりをこれからも宜しくお願いします」
樺 「がんばります!」
今回の再開発事業、100年に一度と言われるだけに、100年後まで見据えた街づくりを沢山の人達の力で進めているのがよく分かりました!
渋谷区Walkerでも、1日1日変わって行く渋谷の姿を引き続きお伝えしていくので、よろシブ!