映画「天空の蜂」で初共演!江口洋介&本木雅弘にインタビュー

関西ウォーカー

1995年に発表され映像化不可能と言われ続けてきた東野圭吾の同名小説を「トリック」シリーズの堤 幸彦監督が映画化した「天空の蜂」。遠隔操作によって最新鋭の超巨大ヘリ“ビッグB”が奪われ、原子力発電所の上空でホバリングを開始。犯人は国内全ての原発の破棄を要求し、従わない場合は爆発物を積んだビッグBを墜落させると宣言する。大胆なテロ事件の解決に向けて設計士を中心にテロ犯、刑事らの攻防を描く。ヘリの設計士・湯原役の江口洋介と、原発の設計士・三島役の本木雅弘が初共演。

―原作、脚本を読んだ時の率直な感想をお聞かせください。

江口「原発を扱ったシビアな題材ですが、原作が発売された95年と今とでは世間の受け止め方も変わってきていると思います。脚本は2時間半にグッと縮められていますが、その中にアクション映画としても楽しめる要素が詰まっていて、期待感はもちろんのこと、絶対に面白い作品になる予感がしました」

本木「今回初めて東野さんの作品を読ませていただいたんですが、今この時代だからこそのリアリティを感じました。本作は原作、映画にあるように何事にも無自覚な『沈黙する群衆』にはなってはいけないと警告しています。僕もまさに今まで世の中の事件などに対して、距離をおいていたタイプだったので、自分への戒めも込めて参加したいと思いました」

―今回初めて共演してみていかがでしたか?

江口「本木さんが出ている作品はもちろん観ていたので、実際に一緒に芝居をして本木さんのクールな雰囲気と緊張感のあるセリフの掛け合いは、とてもスリリングでおもしろかったです」

本木「江口さんとはお互い家庭もあり、世代も近いので親近感があります。そして情熱的な湯原と、若干陰湿な三島とそれぞれイメージ通りの役柄だったと思います(笑)。江口さんは熱のオーラを自然に備えている方だと思いました」

江口「いやいや、そんなことはないですよ(笑)」

本木「役的にも僕は冷めた雰囲気を出す必要もありましたし、この緊張をゆるめてはいけないなと」

江口「確かに見えない敵に対して立ち向かうなかでの緊張感の持続は意識していました」

―撮影中、なにか印象に残っていることはありますか?

本木「物語は灼熱の8月8日を描いているんですが、原発の緊急対策室でのシーンは、天候の悪い中での撮影もあったんです。スタッフさんたちは窓から差し込む太陽の光を日々変わる天候に対応しながら作っていました」

江口「スタッフもかなり大変だったと思います。僕は上空400メートルのヘリから身を乗り出すシーンはドアがない状態での撮影だったので、本当に怖かったです(笑)」

本木「他にも湯原と三島が車のハンドルを奪い合うシーンは大変でした。殺陣のように決まった型もなく、遠心力を受けて左右に体を振りまわす演技だったので、使ったことのない筋肉が凝って、二度とやるまいって思いました(笑)」

江口「千葉県の房総半島の山道を上から下まで何度も往復しましたね」

―お二人ならではの、「天空の蜂」の見どころを教えてください。

江口「CGと言ってしまうのはどうかなと思うくらい、リアリティがあります。初めて繋がった映像を見たときは、びっくりしました。リアルタイムで大事件に遭遇してしまったような、緊張感と怖さを楽しんでいただきたいです」

本木「テロリスト役の綾野 剛さんと若手刑事役の落合モトキさんの狂気じみた戦いのシーンもすごくおもしろいと思います。2人以外にも新鮮な役者さんがたくさん出演しているので、そこにも注目してください」

―最後に読者の方々へのメッセージをお願いします。

江口「この映画と出会い湯原を演じるなかで、自分に返ってくるものがありました。ご家族、友人でも楽しめる作品ですので、男だらけのキャスティングを堪能していただきたいですね。ジェットコースターのような作品なので、ぜひご家族でも楽しんでもらいたいです」

本木「スクリーンで迫力の映像を楽しめる作品です。お子さんたちにはビッグBを怪獣に見立て、怪獣映画として見てもらいたいです。そして大人になった時に、裏に隠れたテーマを理解してもらえれば、より意義のある作品になると思います」

【取材・文=リワークス】

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