ひと昔前までは、男性の趣味というイメージが強かった競馬に、近ごろ異変が起きている。週末は競馬場に足を運び、レース観戦を楽しむ女性、通称“ウマジョ”が増えているというのだ。東京都府中市の東京競馬場には、女性のためのリラックススペース“UMAJO SPOT”が誕生。新たな来場者ニーズに合わせ、女性向けのサービスも充実してきている。その実態を探るべく、東京競馬場に記者が潜入してきた。
取材当日、“UMAJO SPOT”に向かおうと足を進めていると、すでに女性客の姿がちらほら!かく言う記者も、実は“ウマジョ”の端くれの1人。専門的な知識はないものの、家族でのレジャーとして、何度か競馬場に足を運んだ経験がある。その日も家族連れをはじめ、カップルや女性同士のグループが多数見受けられ、女性1人でも居心地の悪さを感じることはなかった。
フジビュースタンド5階の10番柱付近に到着すると、パステルカラーの装飾が目を引くかわいらしい一角が見えてきた。草花やカラフルなフラッグで彩られた外観は、まるでおしゃれなカフェのよう!
ここ“UMAJO SPOT”では、ドリンクの無料提供サービス(1人につき1杯)や、馬をモチーフにしたスイーツ、パンの販売などを行っている。女性の利用客に話を聞いてみると、「無料のドリンクに引かれて入りましたが、中も居心地の良い空間でくつろげます。馬の顔をデザインしたパンがかわいくて、思わず手に取ってしまいました」とのこと。
SPOT内には馬の基礎知識を紹介するパネルや、レースを放映するモニターなどを設置。女性のコンシェルジュも常駐しており、競馬に関することを気兼ねなく質問できる。
広報担当者は、「女性がゆったりとリラックスできる空間を目指しました。その中で競馬のことを少しでも知っていただければと思います。コンシェルジュは、馬券の買い方などはもちろん、女性ならではの楽しみ方も教えてくれるので、気軽に何でも質問してください」とアピールする。
“UMAJO SPOT”は10月31日(土)から、3階のイーストホール横にも設置され、こちらは人気キャラクターのMy Little Ponyとコラボレーションした内装が魅力。5階の“UMAJO SPOT”は女性1人につき男性1名まで入店できるが、3階は女性限定となっている。
このような女性に向けた取り組みに加え、初心者のためのビギナーズセミナーも実施。競馬に精通した専門家が講師を務め、1講座20分で基本的な内容をレクチャーしてくれる。今回は、マークカードコースと競馬新聞コース、2つの講座に参加してみた。
マークカードコースでは、馬券の種類とマークカードの記入方法を中心に、馬券購入に欠かせない知識を教えてくれる。初心者には複雑に思える馬券の種類だが、イラスト付きのテキストを見ながら説明してくれるのでわかりやすい。
その他、実際のレースを例にとったマークカードの塗り方や、自動発売機での購入方法を丁寧に解説。万が一、マークカードに間違いがあってエラーになってしまった場合も、「そのまま待っていればスタッフが来るので、慌てなくて大丈夫です」とのこと。初めて馬券を買う時は戸惑うことも多いが、その不安を少しでも軽減してくれる内容だと感じた。
続いては、競馬新聞の読み方へとステップアップ!情報が満載の競馬新聞だが、1番注目してほしいのは、出走馬の血統や成績、騎手名などが記載された「馬柱」だという。その中でも、過去の成績は特に重要で、「新聞を買ったらまずは直近の成績を確認してください」とのこと。さらに、「その馬が右回り、左回りのどちらが得意かを見分けるだけでも、的中率がグッと上がります」など、すぐに役立つ具体的なアドバイスも!ポイントを絞った解説で、20分間の中に必要な情報が凝縮されていた。
その後はパドックに移動し、出走前の馬の状態をチェックしながらレースを予想。初心者には馬の体調を見極めるのは難しいが、各馬の表情や毛色を見ているだけでも面白い。また、これから自分が買う馬を間近に見ることで、応援する気持ちも自然と高まってくる。
記者はこの日2レースを購入したが、そのうち1レースは見事的中!これまでは馬券の種類を覚えきれず、うまく使い分けることができなかったのだが、今回はビギナーズセミナーの内容を生かして馬券を選ぶことができた。
データや知識を駆使したレースの予想は、もちろん競馬の醍醐味だが、走る主役が動物だけに何が起こるかわからない一面もある。好きな数字で選んでも、意外と当たることもあるのだとか。馬券は100円から購入できるので、気軽にチャレンジしてみるのも良いかもしれない。
なお、馬場内では現在、秋のビアフェスも実施中。特設会場には、クラフトビールをはじめとしたドリンクの他、フードを販売するキッチンカーがずらりと並ぶ。競馬以外の楽しみも充実している東京競馬場は、“ウマジョ”デビューにぴったり!手に汗握るレース観戦を、ぜひ体験してみて。【東京ウォーカー/PR】