大ヒット公開中!映画「バクマン。」大根 仁監督にインタビュー

関西ウォーカー

「DEATH NOTE」の原作コンビ、大場つぐみ(原作)と小畑 健(作画)による人気漫画を佐藤 健と神木隆之介主演で実写化した「バクマン。」。祖父が漫画家で優れた画力を持つ真城最高(サイコー)と文才に長けた秀才の高木秋人(シュージン)がコンビを組み、週刊少年ジャンプの連載を目指す。メガホンを執った大根 仁監督に本作の魅力を語っていただきました。

―本作を実写化することになった経緯をお聞かせください。

大根「2011年の『モテキ』の公開後、地方キャンペーン中にプロデューサーから実写化のお話をいただきました。原作は20巻からなる長編で、さらにジャンプの内情を晒していくストーリーが映像向きではないと思ったのですぐに断ったんです(笑)。でも改めて原作を読み直してみると、6巻までのエピソードを映像寄りにアレンジできるなら、映画なりの勝ち目があるのかなと思い、企画を進めはじめました」

―原作のアレンジについて、大場つぐみさん、小畑 健さんの反応はいかがでしたか?

大根「お会いしたときに、少し原作の内容を変えて映画にしたいというお話をしたところ、原作が映画向きではないことはわかっているので、全然構わないと。新たな物語が見たいと言っていただけました」

―サイコーとシュージンに佐藤 健さん、神木隆之介さんを抜擢された理由をお聞かせください。

大根「原作は中学生からスタートしていますが、映画では高校2年生から卒業するまでの間にジャンプで連載をして読者アンケート1位を目指すという設定に変更しました。高校生が週刊少年ジャンプや編集部、ライバルの漫画家たちに立ち向かうことってなかなか出来ないことで、キャスティングする際も大きな壁に立ち向かう少年性をもった2人を探しました。健は多くの作品で主演を務める立派な役者ですが、どこか子どもっぽいところが残っているなと僕は感じているんです。神木は少年そのもので、ひょっとしたら童貞なんじゃないかって雰囲気を持っているので(笑)。この2人の組み合わせはおもしろいと思ったんです。逆だという声もありましたが、僕の中で最初からサイコーは健、シュージンは神木という確固たるものがありました」

―2人のライバルとなるエイジ役の染谷将太さんを起用した理由をお聞かせください。

大根「原作のエイジは圧倒的な天才性で、下手すると主役の2人を置いてキャラクター人気投票で1位を取ってしまうようなキャラクターです。健と神木にとって役者・染谷はエイジのような存在で、2人もどこか意識している部分があるんじゃないかなと僕は思っていたので、染谷にお願いしましたね」

―サイコーとシュージンの漫画執筆のシーンでプロジェクションマッピングを使用したきっかけはありますか?

大根「ずっと一緒に仕事をしてきた映像ディレクターとプロジェクションマッピングを映像で使うことに何度かチャレンジしていました。映画でもいけるという自信があったので、今回実際に使ってみました」

―CGバトルのシーンはどのようなところから発想が生まれたんですか?

「読者アンケートの順位争いだけをフィーチャーすると、順位ばかり気にしているように見えてしまうので、漫画の中身で勝負しているんだということも同時に見せることができるのはバトルシーンかなと。健が大きなペンを刀のように振り回すビジュアルが浮かんできたんです」

―最後に本作の見どころをお教えください

「素晴らしい原作、編集部、役者とスタッフのおかげで、おもしろい作品ができました。日本が世界に誇るオリジナルカルチャー漫画の素晴らしさを表現できたと思います」

【取材・文=リワークス】

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