【佐藤隆太インタビュー:その2】大阪公演も間近!舞台「ダブリンの鐘つきカビ人間」が10年ぶりの再演

関西ウォーカー

※【その1】の続きhttp://news.walkerplus.com/article/66980/

Q:今回、一番楽しみにしていることは?

ここまでファンタジーな世界に身を置くという経験がなかったので、その世界にどうやって自分が立っていられるかというのは、楽しみです。どちらかと言えば、シュールに思えるほどリアルな生活の中での役を多くやっていて、自分でも日常の些細なところを切り取った作品が好きなので。今回、うまい具合に染まれたらいいなと思っています。

Q:舞台の魅力、映像との違いは?

やっぱりライブ感ですね。よくもあり、怖くもあり。あの瞬間、あのメンバーとその時のお客さんでしか成し得ない空間、時間を作る作業はすごく好きですね。毎日同じメンバーで舞台に上がってますけど、それでもやっぱり日々変わるんですよ、お芝居の空気が。そして舞台って、その日のお客様も作品作りをしてくださっているんです。同じ作品でも、その日のその回にいらしてくださった人しか味わえない空気が流れる。そこが楽しいです。映像の世界は、カット割りとかいろんなことがあって助けてもらえる部分がありますが、生の舞台は本当に頭のてっぺんから足の先までつねに全身で芝居をしなければいけない。

舞台では、役者以上に人として、どんなことを考えながらこの人は生きてるかっていうことさえ見透かされてしまうような気がしています。だから、舞台に立つことは、そういった意味ですごく怖いです。でも、だからこそやっぱり飛び込みたい、逃げたくないという気持ちがあります。

舞台はパルコ劇場の仕事からデビューさせてもらって、そこから16年、何作もやらせていただいていますが、今でも初日の幕が開く1週間ぐらい前は「劇場なくならないかなあ」って、本気で思います(笑)。それぐらい怖いです。でも、初日の幕が上がった瞬間から、まだセリフ言ってなくてもすごく楽しいんです。

幕が上がる直前まではメチャクチャ怖いって毎回思います。最初は、やっぱりやめておけばよかった、断わればよかったみたいな(笑)。でも、終わった時は、あ~!やってよかった!!って思いますね。ただ、ありがとうございましたって言いつつも、芝居に納得がいかなくてちょっとモヤモヤッとしたものが残ったりする時もあるので、今回はそのモヤモヤがひとつも残らないように、出し尽くしてやりたい。毎日いろんな発見ができるような作品なので。

Q:メッセージを

ほんとにすごくおもしろい、よくできた話なのでぜひ観てほしいです。大阪公演は、東京で1か月近くやって、いろんなところがブラッシュアップされた「ダブリン」をお見せできるタイミングじゃないかなと思っています。

難しくなく、非常に見やすいので、初めて舞台を観る方にとっても、その入口にふさわしい作品だと思います。ぜひともピロティホールまで足をお運びください!

Q:関西公演に来た時、必ず行くところは?

自分で決められる時間がある時は、劇場がどこであっても絶対に行くお店があります。よく行くのは粉もん屋。お好み焼きとか粉もん大好きで。食事ではほかに2、3軒ありますね。遊びに行くのはなかなか難しいので、終わった後にタイミングが合う人と飲みに行くとか。東京でやってる時よりも行く機会は増えますね。終わって「じゃあ、今日はここ行こうか」って、みんなで行ったり。

その土地ならではのご飯を楽しみにするっていうのもありますけど、そこでいろんな話をすることを楽しんでますね。ある程度公演をやってから、地方の最後の都市まで完走するためにも、また芝居の鮮度を保つためにも、芝居のことだったり、なんでもない世間話をしたりしてますね。

ツアーでは、修学旅行の感じを思い出しますよね。大人数が決められたスケジュールで動くのは、やっぱり楽しい。プライベートでは絶対できないですから。

【取材・文=高橋晴代】

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