“近大マグロ”という名前のマグロをご存知の人も多いのでは? これは近畿大学が30年以上の年月をかけて世界で初めてクロマグロの完全養殖を実現したもの。このような“大学発”の食品がにわかに注目を集めている。
ではこの“大学発”食品の魅力とは何だろう。“大学発”食品の仕掛け人で「美味サライ」ディレクターの松元浩一さんによると「“食”に関する研究の第一人者たちが、研究を通して作り出した“研究者にとって現在形の理想の食品”です」とのこと。研究のために切磋琢磨して作られた食品だから、“安心・安全で美味しい”というわけだ。
例えば佐賀大学農学部で開発された新野菜「バラフ」。こちらは“葉をそのまま食べるだけで塩味がある”というおもしろい野菜。もともと塩分を吸い上げて土壌を改良する植物の研究から始まったという。植物の葉自体に土壌から吸い上げた塩分が含まれることに着目して食用に改良された野菜なのだ。生春巻きやピザの具にオススメだそう。
ほかにも九州大学農学部附属農場で、畜肉加工の実習で30年間続く製法で作られた「はかた地どり100%のソーセージ」、広島大学大学院医歯薬学総合研究科が開発した植物乳酸菌だけで発酵させたヨーグルト「植物の恵」、宇都宮大学農学部附属農場で作られた生乳を使った「フレッシュチーズ」、そして米、酒、酢、はたまたレトルトカレーなど多種多様だ。
残念ながらこれらの食品の多くは通常、一般的には流通しておらず、口にする機会は少ない。が、今回、6/11(木)〜16(火)に新宿タカシマヤにて、これらを実際に味わえる物産展「第2回『大学は美味しい!!』フェア」が開催される。全国から28校が参加し、前述の商品をはじめとする約300品目が集結するのだ。大学の名のもとで発表される最先端の食品の数々をぜひお試しあれ。
ちなみに、今回は料理研究家・辰巳芳子さんと食に関する文筆家・佐藤隆介(りゅうは隆の旧字体)さんの対談、同フェア出展大学の教授による特別講座など、アカデミックなイベントを紀伊國屋書店新宿南店にて実施。“食の学園祭”と銘打たれたイベントにふさわしい内容にも注目だ。【東京ウォーカー】